第34話 ローレンシア歓喜祭まであと72日(9月19日)
ジアースは朝起きた。ミュウはすでに起きていた。
ミュウ:昨日、帰りが遅かったじゃない。せっかくサハリンがいなかったのに。
ジアース:そうだな。お互いご無沙汰だったな。しかし、ミュウもそろそろサハリンに気を使わなくてもいいじゃんじゃないのか?
ミュウ:やっぱり、お兄様とサハリンは脈があるの?
ジアース:なんか、そういう予感がする。
ミュウ:でも、それは父上が考えていたことかもしれない。
ジアース:これを機にガイ様とサハリンとの縁を作ったわけか。これではガイ様はザバン様に文句は言えないな。
ミュウ:そうよね。
ジアース:ところでミュウよ。今日は朝から何をしているんだ?
ミュウ:コンサートに出場するメインの他のミュージシャンとメールしてる。
ジアース:なるほど。
ミュウ:で、今回の歓喜祭のコンサートの中にはアマチュアのミュージシャンも入れようと思う。やり方は公開オーディション
ジアース:なるほど。オーディションを歓喜祭前にやって盛り上がろうというわけか。
ミュウ:うん。
ジアース:で、それはいつ?
ミュウ:きりがいい所で10月1日でルーネ講堂で行なう予定。予備審査で審査員はお兄様とサハリンと私とシュウ殿とジアースの5人はどう?
ジアース:俺も入るのか。
ミュウ:うん。
ジアース:しかし、よくシュウ殿が動いたなあ。
ミュウ:そりゃ王女の頼みならね。
ジアース:なるほど。で、ミス・ローレンシアコンテストの心理審査は?
ミュウ:今日中に全国から集まった全部の回答を回収いたので、今夜からの審査で、明日の昼には1時予選通過者決定。
ジアース:夜中かあ。
ミュウ:そうよ。マークシートでの審査なら、私でもなくてもできるから、誰でもできるから私は他の人に任せてある。
ジアース:なるほど。ところでさあ。主張大会に関してはどうなった?
ミュウ:結局、主張大会はやめてやめて論文集の出版だけにするか協議したけど、民衆に晴れ舞台を作るのも、国の仕事ということで予定通り主張大会はやるよ。
ジアース:そうか。俺もミュウも迷ってたよな。だが、やると決めた以上、頑張ろう。
ミュウ:後は私からの報告は今はなし。
ジアース:そうか。ところで、今日は俺は博覧会を周ろうと思っている。
ミュウ:わかった。
と、ジアースはアンプの元へ向かった。アンプはローレンシア大学におり、バイオロ話している途中であった。
ジアース:バイオロ殿。久しぶりです。
バイオロ:ジアース殿。久しぶりですな。
アンプ:ジアース様。バイオロ教授のバイオテクノロジーについての概略を聞きました。
ジアース:で、どんな感じか?
バイオロ:内容は次のような項目に分けようと思っています。
1.細胞について
2.遺伝子について
3.たんぱく質について
4.脳の仕組み
5.人間性の可能性
6.病気の医学的克服
7.バイオテクノロジーによる再生医療
8.精神の世界
と、いった感じです。
ジアース:なるほど。これは面白そうですな。
バイオロ:ええ。ジアース殿はどう思いますか?
ジアース:いえ、後は私は言うことはありません。ですが、歓喜祭まで間に合いますか?
バイオロ:そうですね。超高速で行なうしかありません。
ジアース:助手ならネットで昨夜、ネットで募集をかけました。教授の思うままに使ってください。
バイオロ:ありがとう。ジアース殿。
アンプ:では、バイオロ教授。そういうわけでよろしくお願いします。
バイオロ:わかりました。
と、バイオロは部屋を退出した。
ジアース:この後のアンプの予定は?
アンプ:後5分後にアシモフ教授がやっています。
ジアースとアンプは雑談してアシモフを待った。ちょうど、5分後にアシモフはやって来た。
アシモフ:ジアース様。初めまして。
ジアース:こちらこそ。初めまして。アシモフ殿はロボット工学の最先端を行かれていると聞きました。
アシモフ:はい。早速ですが、博覧会でやる内容を項目に分けてみました。
1.ロボットの仕組み
2.ロボットの知能
3.ロボットの社会進出について
4.宇宙時代のロボットの必要性
と、こんなとこでしょうか。
ジアース:なるほど。で、これから細かく行なうと。
アシモフ:はい。
ジアース:歓喜祭までには間に合いますか?
アシモフ:間に合うようにするしかありません。
ジアース:そうですな。では、よろしくお願いします。
ジアース:今度、時間がありましたら、ゆっくり話しましょう。
アシモフ:はい。
アンプ:ジアース様、すいません。アシモフ教授は博覧会で大忙しなもので、1分も時間がありません。
ジアース:わかっている。
アシモフ:では、今日のところはこれで失礼します。
と、アシモフは部屋から出た。
ジアース:アンプよ。展示会は他のメンバーと連携は取れているか。
アンプ:はい。
ジアース:展示会ではもちろん骨董品や、芸術品など、歴史的遺産を扱うことになろう。その辺はぬかりないか?
アンプ:はい。只今、煮詰めております。
ジアース:じゃあ、今日はここまでにしておこう。わたしは次があるから、これで失礼する。
と、ジアースはアンプとの話を終えて、ローレンシア大学の食堂で食事を済ませて、明日にクイズ大会があるので、グリスとの打ち合わせを行なうため、王宮に戻った。
ジアース:グリスよ。明日はどうなった?
グリス:はい。明日はとりあえず、店員は3万人で、場所はガッツンドームです。
ジアース:そうか。で、明日の交通機関は、電車の増発は万全か?
グリス:はい。
ジアース:で、警備体制も万全か?
グリス:はい。あと、運営も準備は整っております。
ジアース:あと、3万人が集まるんだ。飲み物、軽食もドーム内で売ろう。
グリス:あ、そうでしたな。
ジアース:それを忘れていたか。
グリス:いえ、至急用意します。
ジアース:後は思い当たることはないか?
グリス:後はクイズ大会の運営です。
ジアース:そうだな。○×クイズで何人まで絞る予定だ?
グリス:そうですね。本線を48人とするならば、シャムルルからは6人、ですが、○×クイズだけでは面白くありません。やっぱり何かあったほうがいいと思います。
ジアース:確かに。クイズ大会だけではあっという間に終わる。みんな来てくれるんだ。何かイベントはないか?
グリス:そうですな。何か必要ですね。
ジアース:チアガールのダンスはどうだ?
グリス:それはいいですね。早速当たってみます。
ジアース:あと、○×クイズの1問目は超難しいのをいくか。告知は午前9時、ガッツンドームの入り口で。
グリス:はい。入場締め切り時刻の2時までに参加者は答を決めてもらいます。
ジアース:ながれは大体できたな。で、あとは問題点はないか?
グリス:はい。
ジアース:では、昼食に関してだが、軽食のほかに弁当を売るといいような気がするが。
グリス:はい。また、ガッツンドームの周りの飲食店はクイズ参加者のお客で埋まると思います。
ジアース:なら、その飲食店にも明日の準備をしておくよう伝えてあるか。
グリス:はい。
ジアース:では、あとはないか?
グリス:今のところ問題はありません。
ジアース:わかった。今日はこもへんにしておこう。グリスよ行動に移ってくれ。
グリス:はい。
と、グリスは明日のシャムルルでのクイズ大会の最終準備に追われていた。
その後、ジアースは自分の部屋で主張大会の論文を見て、夜になった。
ミュウ:ジアース。どう?論文の方は。
ジアース:さすがローレンシア王国というところか。いくつか、面白いものがあった。
ミュウ:私も読んだよ。みんないろんな事を考えているね。
ジアース:で、そろそろザバン様達は帰ってくる頃だな。
ミュウ:うん。
と、サハリンが帰ってきた。
サハリン:ただいま。
ジアース:おかえり。
ミュウ:疲れたでしょう。
サハリン:あの、ガイ様が外交は凄い頑張っていたよ。
ミュウ:サハリン。お兄様に惚れた?
サハリン:うーん。いまいち。
ミュウ:そう。
ジアース:いまいちということは後の国の外交は駄目だったのか?
サハリン:私は満点と思ったけど、ザバン様がジアースを帰らせたのは失敗だったって。
ジアース:そうか。ちょっと俺はザバン様に会いに行く。
ミュウ:わかった。
と、ジアースはザバンの所へいった。そこにはカイザーがいた。
ジアース:カイザー殿。ザバン様はいらっしゃいますか?
カイザー:今、食事を摂られているジアース殿は食事は取りましたか?
ジアース:いえ、まだです。
カイザー:では、私とここで食べませんか?
ジアース:はい。
と、カイザーとジアースはザバンの部屋の客まで食事を摂った。
カイザー:ところでジアース殿。ガイ様とサハリンの関係はどうするおつもりで。
ジアース:うーん。正直、うまくいけばいいと思っています。
カイザー:ジアース殿は変わられましたな。以前はサハリンを絶対手放さなかったのですが。
ジアース:そうですか。
カイザー:まあ、とにかく、ガイ様が最近、急に大人になられた。これはジアース殿のおかげだということは言うまでもありません。
ジアース:いえ、とんでもないです。
カイザー:しかし、ガイ様とミュウ様のどちらが次の王位を継承すべきかは、私も悩んでいます。
ジアース:そうですか。
カイザー:ガイ様とミュウ様は犬猿の仲でしたが、何とか収まりそうですな。それに今回の外交でガイ様はジアース殿をすっかり認めておられた。
ジアース:それは恐縮です。
カイザー:しかし、次の王位の件は私も悩みます。
ジアース:カイザー殿。それはきっとザバン様の頭の中に入っておられると思います。ザバン様なら、きっといい方法を考えておいででしょう。時が来た時でいいのではありませんか?
カイザー:そうですな。
と、そこにザバンが帰ってきた。
ザバン:おお、ジアースよ。歓喜祭は順調か。
ジアース:はい。順調です。
ザバン:私は正直、ジアースを途中で帰らせたのは失敗だったと思った。
ジアース:どうしました?
ザバン:いや、シンに対する考え方や歓喜祭はまあまあだったが、宗教に対する考えが、私や、ガイ、テルル、サハリンには無い。この国で宗教がわかっているのはジアースを含めて何人もいないであろう。宗教に対する考えの発言に苦労した。
ジアース:そうですか。ですが国交が良好であれば問題は無いのではありませんか?
ザバン:ガイやテルルが良く頑張ったが、ジアースには到底及ばん。それに、サハリンは外交では素人だった。非常に苦労した。
ジアース:しかし、これは、いろんなことを知る上ではいい機会だったのではありませんか?
ザバン:そうだな。しかし、ジアースよ。おぬしはどこで宗教を勉強したのだ?
ジアース:いえ。天の道理を基本に考えれば、答えは自然と出てきます。
ザバン:その答が出せるのは、このエメラル星には数えるほどしかいないだろう。今回の外交は他国がなぜローレンシア王国が宗教について知っているんだと驚いていた。しかし、それはローレンシア王国の力ではなく、ジアースの悟りといっても過言ではない。
ジアース:恐れ入ります。
ザバン:しかし、この世の中は広いようで狭い。だが、可能性は無限だ。このローレンシア王国はこの世についてのことの答を出して生きたい。そして、人が人として生きるための道を、全員が幸福になれる道を進みたいと思っている。これは国王としての使命である。と思っている。
カイザー:おっしゃる通りです。
ザバン:さらに、地位がある者は自由ではない。責任がつきまとう。そう。多くの者を支えるという責任があるのだ。だから、私は答を探し、実行しなければならないのだ。
カイザー:ザバン様。その精神、深く感動しました。
ザバン:ジアースよ。もし、私に何かあったら、この国は、ジアースの裁量によって決まる。肝に銘じておいてくれ。
ジアース:はい。
ザバン:では、今日の話はこれくらいでいいか?ジアースは外交の事で来たのであろう。
ジアース:はい。外交は今はまだ大丈夫そうですので、また何かあり次第、その時はその時に考えましょう。
ザバン:では、私は疲れているので休ませてくれ。
ジアース:はい。
と、ザバンは奥の部屋へ行った。
カイザー:ジアース殿。外交はご苦労様でした。
ジアース:はい。では私はこれで失礼します。では。
と、ジアースはミュウの部屋に戻った。
ミュウ:いアース。どうだった?
ジアース:ああ、大丈夫だ。ところでサハリンは?
ミュウ:今は、トイレ。
ジアース:そうか。
と、サハリンが来た。
ジアース:サハリン。頼みごとがあるのだが。
サハリン:何?
ジアース:明日のクイズ大会で国民の参加者をねぎらうために、ついでにサハリンのサイン会があるといいなと思ってな。
サハリン:私は大丈夫よ。
ジアース:では、テレビ電話でグリスを呼んで打ち合わせをしよう。
しかし、グリスはテレビ電話ではつながらなかった。
ジアース:困ったなあ。グリスは相当忙しそうだなあ。
ミュウ:あ、私の携帯にグリスからメールが来たよ。
ジアース:グリスか。どういうメールか?
ミュウ:準備万端だって。
ジアース:ミュウ。メールを返してくれ。サハリンのサイン会はどうかと。そしてそれを機にサハリンのCD、写真集も売る。
ミュウ:ジアースもよく考えるよね。
と、ミュウはグリスにメールを送った。
3分後グリスからミュウのところへメールが送られてきた。
ミュウ:ジアース。グリスからメール来たよ。わかったって。サハリンのものの準備は徹夜でやるって。
ジアース:そうか。なんか悪いことしたなあ。
ミュウ:だけど、これはいいアイデアと思うよ。
ジアース:と、今日は俺は寝る。明日のために休む。
ミュウ:わかったわよ。お休み。
と、ジアースは眠りについた。ミュウとサハリンは女の会話をしていた。
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