第20話 ローレンシア歓喜祭7(あと85日)その5 大臣級会議

 ジアースは夕方、王国の会議に出席するようになっていたので、各省庁の大臣の会議に出席した。

ザバン:みんな集まったな。これから各省庁での報告をして欲しい。

カイザー:まずは防衛庁のトール。

トール:防衛庁ではどの国との外交がどれだけうまくいっているかという点から、どの国からの攻撃に対処すべきかを考えています。まずは、隣国のラガティスですが、外務省がうまくやっているそうなので、手が出せないでしょう。さすがにラガティスの国王といえど、民衆の支持なしでは政治はやっていけません。

ガイ:実際にどういう手を打ったんだ?

テルル:歓喜祭を世界中からわが国を注目させる手をとっています。我々は世界での重要な存在をアピールしているからです。また、民衆の交流があってこそです。旅行や貿易などを通しての交流で、ラガティスからの敵意を半減しているわけです。

ガイ:なるほど。

ザバン:ガイよ。めずらしいなあ。お前が人の考えを聞くなんて。

ガイ:父上。私は王子として当たり前のことをしているだけです。

ザバン:ミュウがいないと積極的なのか。

ジアース:しかし、ザバン様。ミュウも頑張っていますよ。

ザバン:ジアースよ。心配するでない。わかっておる。トールよ。続けよ。

トール:はい。他の国とはわが国とは友好的なものの、国際的に危険とされている国があります。また、その国に戦争を仕掛けようとする国もあります。和平への導きをこの歓喜祭をきっかけに進展させようと思います。

ザバン:テルルよ。実際はどうなのだ。

テルル:はい。まず大国であるラオウとレノンが対立ムードです。また、連合国であるICが分裂の危機を迎えております。

ガイ:なるほど。だがICが分裂すれば、その分競争相手がなくなっていいのでは。

テルル:ガイ様。それは違います。分裂するとICの国民と今までやってきた交易が1つだったのが、例えば5つに分かれれば、5つと交易をしなければならない。すごく面倒なんです。

ガイ:そうかねえ。

カイザー:ガイ様は、我々と違う考えの持ち主のようですね。

ザバン:だが、誰かが分裂をとめるだろう。分裂すればICの連合国は国際競争力がなくなるからなあ。

ジアース:我々は平和国家として各諸国を国際的に1つにしようとしているわけです。

ガイ:なるほどね。ジアースも抜け目が無いなあ。

ザバン:それはこの辺でわきに置いておこう。次は治安省のサム、今の状況を言ってくれ。

サム:はい。国内では大きな混乱も無く、皆歓喜祭へ全力で行っています。やはり、人は目的を持つことが大事なんですね。

カイザー:わかった。テルルはさっきの意見で大体わかったので、次は、経済財務省のデバロ。

デバロ:はい。この歓喜祭で国債はかなり減ると見ております。各省庁と協力して行っています。その他にカイザー様の提案で、インターナショナルマーケットを歓喜祭後に行う予定です。

ザバン:カイザー。それは本当か。

カイザー:はい。元はジアースの提案なんですが、私はそれに賛同しているわけです。

ザバン:ジアース。それはどういうことだ。歓喜祭に全力を尽くしているのとは違うのか。

ジアース:歓喜祭では全力を尽くしています。また、副国務大臣として国民の声も聞いています。実はこの案はある国民の意見なのです。

ザバン:なるほど。だが中心者は誰なのだ。

カイザー:私が中心で行うことになっております。ジアースは今忙しいため、ノルワーと提案者のコユウジというものと四人で思案中です。

ザバン:それはいつやるのか。

カイザー:それも思案中です。

ザバン:そうか、では、次は教育省のラバンバの報告だ。

ラバンバ:はい。わが国では、歓喜祭を通して、国というものはこうあるべきだと、また、国民が1人1人が大事なんだという事を教えていく方針です。

ザバン:で、授業を放棄して歓喜祭に参加させるのは、いかなるものか。

ジアース:私は社会を知るためには、半分は賛成です。学校教育を行いながら歓喜祭を通して社会を理解することが目的です。例えば、展示会の準備をさせることにより、この国の道理を学んでいくわけです。

ザバン:わかった。狙いはいいぞ。次は厚生省のメディ。

メディ:はい。私はこの歓喜祭で1つの不安を持っています。外国人を多く来訪するのが目的ですので、他国の新種の病気を持ってくるのではないかと心配しています。

ザバン:なるほど。では現在はどういう新しい病気が海外であるのかを研究に当たってくれ。

メディ:はい。

カイザー:次は交通省のネル。

ネル:はい。報告します。今、我々は海外からの路線が込み合わないか検討中です。現在、わが国は、海外からの飛行機での来客は2箇所しかありません。歓喜祭用に急いで、3箇所の飛行場も海外用に解放したいと思います。また、国内の交通も込み合わないよう整備に全力を尽くしています。

カイザー:わかった。次は環境省のエコー。

エコー:今現在、我々は歓喜祭に対してはゴミ対策を行います。後は、温暖化対策として、技術開発省と連係して、クリーンエネルギーの積極使用に取り組んでいます。

カイザー:わかった。後、エコーよ。歓喜祭が終わった後、世界温暖化対策会議がある。それをジアースと一緒に出席して欲しい。

エコー:・・・・・・。はい。わかりました。

ガイ:エコーよ。何か不満でもあるのかな。

エコー:いえ、ありません。

ガイ:今の沈黙は何なんだ。

ザバン:ガイよ。その辺でやめておけ。大人気ない。

カイザー:では次は労働省のワルク。

ワルク:報告します。今回の歓喜祭で、ニートの者はとりあえずアルバイトをすることになるでしょう。これで、景気が回復すれば、給料も上がります。今、現在、歓喜祭専用の店舗を出すことを考えています。そして法務省と連係して店舗の許可を速やかに行うことを考えています。

ザバン:わかった。では次は技術開発省のコンバット。

コンバット:はい。今、わが国の技術開発は、より便利に、より効率のよい技術を開発中です。特に、ロボットの研究、バイオテクノロジーの開発、IT産業、ソフト開発等を中心に行っています。

ザバン:わかった。次は法務省のインカ。

インカ:我々は常に法律作りに専念しています。国民がなるべく自由に、また、安全に行動できるよう、法整備を行っています。

ザバン:わかった。次は通信省のメイル。

メイル:はい。報告します。我々は歓喜祭へのPR活動に専念しています。後は、特に主な者はありません。

ザバン:わかった。で、今日は報告は終わったな。無ければ解散だが何か意見はあるか?

今日は全員これ以上意見は無かった。

ザバン:よし。では解散。

 と、みんな解散した。


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