冥域のピンチサーバー ~10点差、敗けだな、ベンチで暇そうにしてるあいつ出しとけ~
@haidoroponnpu
第1話『六畳四冥、投入』
脆弱高校男子バレー部、インターハイ予選一回戦
vs強豪高校
第三セット、10-22、10点ビハインド
(はい、敗け確定・・・)
見守る観客のため息が聞こえてくるようだった。
第一シードの強豪高校相手に、第一セットは取ったものの
レギュラーメンバー達に代わった第二セットからボロボロに崩れて
点を取られていく。
もう勝てない・・・どうやっても・・・
部長が声を張り上げるが
虚しく響く。
敗けそうになるたびに日頃の練習の甘さを痛感する。
きつい時間だ。
今までできる限りの練習はやってきたつもりだ、努力を重ねたつもりだ、連携の練習も欠かさずやってきた。
そんなモノ無駄な徒労と言わんばかりに・・・
無慈悲に打ち下ろされる、相手校エースのド級スパイク
体育館のコートの床が弾けんばかりに響く音
皆知らず知らずのうちに顔が下がり目が死んでいく。
$$$
監督は両手を握ってこっそりため息をつく。
(あいつらはよくやったが、相手の方が一段上に居ることは明白・・・)
『敗けたあいつらにどんな言葉をかければいいか』
メンツを気にする彼の思考は既に敗けた後の処理の事でいっぱいだった。
おお、そうだ、控えの奴らも全員試合に出してやらんとな
記念参加という奴だ。
あと・・・出場していないのは・・・
六畳四冥・・・
そういえばそんな部員もいたな
忘れていた
サーブが少しできるんだったか
ピンチサーバーで出場させよう
ピッ、交代、白13番!!
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