みかんはもちろん行くみたいだ

 家に帰って文章をしっかり考えてから送りたいのと、未来が立ち直っていない気がするというのがあって、僕は今日の夜あたりに送るつもりでいた。


 しかし、家に帰るとすでにスマホに未来から連絡が来ていた。今でも聞こえそうなくらい未来に似合わない叫び声だったけど立ち直れたのかな。よかった。



『遊び行きたいって話の行き先の候補なんだけど、候補っていうか、招待チケット四枚手に入れてね、水族館か、プールか、遊園地か、動物園で選べるの。だからせっかくだから久々に遊び行きたいなって思ったわけ。どこに行く?』



 っていう内容をみかんと僕に一緒に送っている。


「凛太!」


 外から声がした。


 今日は僕の周りの女の子はみんな大きな声を出す決まりでもあるのかな。浜辺さんはいつも声大きいし。


 僕はドアを開けた……瞬間ものすごくアップでみかんの姿が。


「凛太! 私は今の連絡で知ったのにですわ! 遊びの予定を未来とたてていたのですわね!」


「いや……たてる前に三度ほど失敗して……何も進んでないが……」


「ほんとですわね? あ、さらに詳しいのが来ましたわ……チケットは日付指定で9月22日らしいですわ。私はもちろん空いているし行きますわ」


「すごい、張り切るな……」


「だって私が行かないと凛太と未来が二人でデートってことになりますわ。それがこ、困りますわ」


僕の家に入ったみかんは、靴を脱ぎながら、今度は小さい声で言った。


「でもチケット四枚って書いてあるし……あと誰か来るんじゃ……他に来る人決まっていたら未来が言ってきそうだけど……未羽は行けないのかな……」


「じゃあ花凛ですわ?」


「花凛か……なんか……花凛この日、社会科見学だった気がするんだよな……」


 僕はカレンダーを見る。やはりそうだ。楽しみすぎて22日の部分がダンボール工作の机のようにデコられている。


 となるとあと一人は……きっと未来が誰か連れて来るのかな。

 

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