消えない記憶を

そうせい


三月十一日。

何年も前のことで、

この日ほど覚えている日はない。

忘れることはない。



傷は未だに消えない。

完全に全ては戻ってこない。

すくい上げた手から

水がこぼれ落ちるように。



取り戻すための年月なのか。

作り直すための年月なのか。

かかる時間は長く

とても足りない。



なにをすればみんなが笑顔になれるかを

ずっと考えている。

力不足なのはわかっているけど、

自分のそばにいる人が笑顔になれるように。

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