第14話 いよいよ異世界へ!
ゲートを潜って直ぐの空間は、塀に囲まれた広場。広さは大体小学校と同じくらいだと思う。そして塀の向こう側とは完全に隔離されている。向こう側に行くには、左右2つの通用口みたいなののどちらかを潜らないといけないのだろう。列は、左側の通用口の前で途切れている。その手前には看板があり、『水色のチケット・ピンク色のチケットはこちらからどうぞ』と書かれている。右側のにも同じような看板があり、文言は『白色のチケットのお方専用』となっている。ここまで来ないと判別できないなんて不案内だなーなんてことを思っていると、カホウが言った。
「心配ありません。貴方がここを潜るまで、時は経ちませんから!」
「そ、そうですか……。」
つまり、どれだけ待たせても、時間が経たないから平気ってこと。それは、明らかに俺が不満に思ったことへの説明だった。便利なことで。安心、安心! ご説明ありがとうございます。けど俺、一切声には出さなかったのに……。俺は鳩が豆鉄砲でも喰らったかのように、目をパチクリしていた。
「ふふふ。さぁ、いよいよ本当の入口です。潜っていただきますわっ!」
カホウは、俺を揶揄うように悪戯っぽく笑いながら言った。通用口ってんじゃ、雰囲気の欠片もない。だけど俺の緊張はピークに達した。
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