第61話
「キャウン!」
今日も、寄って来た狼どもを追い返す俺。
主様は、そんなこちらの状況など、意に返さず、落ち葉を漁って、虫を探していた。
「おいおい、そんなんじゃ、すぐ喰われっちまうぞ」
分離した人型の俺は、その
主様、もとい、デブウサギは一瞬、目線だけをこちらに合わせると、餌を食べながら「プッ」と小さく鳴いた。
完全に舐めてやがる。
「俺は別に、あの狼どもに、寄生しても良いんだからな!」
まぁ、俺の言葉など分かる訳もないので、言っても無駄だと言う事は分かっているが、せめて、目を合わせるとか、食事を辞めるとか……。もっと、こう……。あるだろ!生物としての警戒心が!
……しかし、まぁ、それを奪ってしまった俺にも、責任の一端はある。
無責任にこのまま放置して、他の奴に食われると言うのも、目覚めが悪い話だった。
そんな事を考えている横で、当の本人は口を、もちゃもちゃもちゃもちゃ……。
「………よぉし、分かった……。なら、その責任、取ってやるよ……」
こぶしを握り、
「俺には、リミア様から頂いた、秘伝の調教術があるのだ。貴様なんぞ、すぐに
とうの昔に、こいつの体の中には俺の糸が張り巡らされている。
こいつの生意気な態度を見ていると、今から俺が行う事に対する良心の
それに、この行為はこいつの為で、一番ネックだった、行う理由もできた。
全てにおいて、準備は万端だった。
「行くぞ!生意気なクソデブウサギめ!」
俺は糸を引くと、調教を開始する。
痛みと快楽を交互に与えて、本能に叩きこむ。
生意気な心を叩き壊す。
「ほらほら!どうした!前進の伝令を忘れたか!」
俺はウサギの頭の上に乗り、その両耳を掴みながら、糸の刺激で指示を出す。
「よし!次は二足立ちだ!辺りを警戒しろ!さもないと殺されるぞ!」
俺は糸で作った中身はスカスカのデコイを何個も用意し、触れたら、バツを与えて行く。
日が落ちる頃には、地面に転がり、虫の息になるウサギ。
「よぉし……。良い子だ。よく頑張った……。ほら、これが良いんだろ?」
俺はリミアにやられたように、糸を使って、性的な快楽を与えて行く。
「ほぉら。口を開けな。飯もくれてやるよ」
快楽を受け、ビクビクと痙攣するウサギの口に、食事をねじ込む。
「がんばれば、ご褒美がある。分かったな?」
必死に訓練で教えた、肯定の意を示す、首を縦に振る行為を繰り返す、ウサギ。
「ご主人は誰だ?」
貴方様です!と、恐怖が伝わってくる。
あぁ、その、恐怖と恥辱に埋もれ、抗う事を忘れた瞳……。
かわいぃ……!!もっと見たい!!もっと、滅茶苦茶に!!
「おおっと、手が滑った!」
快楽と、痛覚の糸を、ピン!っと引っ張る。
「プゥッ!!!」
体を大きく震わせ、動かなくなるウサギ。
如何やら、果ててしまったようだ。
勝手に動かなくなるなんて、もっと、もっと調教が!!
「はっ!!俺は何を?!」
手に引いていた、糸を手放し、我に返る俺。
「あ、あぁぁぁぁぁ!!リミアだ!!リミアの中にずっといたせいだぁぁぁぁ!!体は男になれなくなるわ、変な性癖を付与させるわ、散々だぁぁ!!!」
燃え尽きたウサギの横、俺は、涙を零して吠える。
そんな二人を、真夜中の月は、優しく照らしていた。
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