悪役令息、周回中。
ワナビ擬き
第1話
ある日、俺は気付けば乙女ゲーの世界にいた。
だが、何故か体が動かない。色々な部位に力を込めてみるが、指一本すら動かない。
何度やっても動かない。いや、動かない、とは少し違うか。
厳密には、動いてはいる。だが、そこに俺の意思は介入せず、勝手に動いている。
オートモードって言うのか? 昔やってたソシャゲの自動周回を思い出すな。
スキップ機能がなかったせいで微妙にプレイ人口が増えなかったけど、なぜか15年も続いて、毎年世界大会も開催されてたゲーム。
暫く体が自動で動く気持ち悪い感覚に慣れつつ、俺の肩書が分かった。
その肩書とは―――悪役令息だ。……間違いかと思って、何度も確認するが―――悪役令息。
何度見ても、悪役令息。
……どゆこと?
ふつうこういうのって、悪役令嬢とかじゃない? いやまあ、令嬢だったら令嬢だったで困るんだろうけど。
そもそも、悪役令息って何? 小説とかで悪役令嬢に転生した! とかよく見るし、 ゲームでも悪役令嬢はライバルキャラの筆頭みたいなイメージだけどさ……悪役令息って聞いたことなくない?
いや、あるわ。一回だけあった。
大ヒットした乙女ゲーのシナリオを何作も手掛けた、その界隈では知る人ぞ知るシナリオライターにギャルゲーの脚本を書かせるとかいうトチ狂ったことをした企業が製作費も年月もかけて、有名絵師も参加し、満を持して発売した作品。
その名も『ロイヤルナイト ティータイム』
俺もやってみたが……正直ギャルゲーとしては期待外れだった。
理由としては、やはり乙女ゲーのシナリオの気色が強かったからだろう。勿論、製品化する以上男女逆転しただけではなかったが……あふれ出るコレジャナイ感。
それでも、そういうものとして受け入れたならなかなかに面白かったから、最後までプレイして、全ルート攻略、スチルもコンプしたが。
思考が逸れてしまった。
えーっと……そうだ。悪役令息になった経緯がややこしいって話だな。
まず、この世界は二つのゲームの世界が混ざっている。
もしかすると、ほかにも混ざっているのかもしれないが、この体が見聞きした情報からは二つしかわからなかった。
時代設定としては中世くらいの世界観だが、魔法がある世界ではありがち(ご都合主義ともいう)な科学の代わりに魔法が発展している文明で、現代人としての感覚でも大きな不便を感じない……どころか、日本にいた時よりもいい生活をしているかもしれない水準にいた。
まあ、これに関しては俺が貴族だからってのもありそうだが。
俺は、混ざった二つのゲームで悪役をしているらしい。忙しい身分だな!
まず乙女ゲーの世界だ。
正直、乙女ゲーではファンタジーの世界観が王道の一つだからな。
俺は悪役令嬢の婚約者として、女主人公のいじめに参加しているみたいだ。
男が無抵抗の平民の女の子をいじめている絵面とか想像もしたくない。一人称視点でよかったと思ったね。それでもなかなかきついけど。
もう一つのゲーム。
例の『ロイヤルナイト ティータイム』。一応ギャルゲーの、実質乙女ゲーだ。
こっちでは悪役令嬢というか、正しくは俺こと悪役令息の婚約者のルートが上級者向けルートに設定されている。
その理由としては、俺が悪役令嬢のごとく没落男爵ながら学園に特待生制度で合格した男主人公(主人公はどっちも特待生)をエグイイジメにあわせているから。
男だから、できることも増えつつ乙女ゲーの悪役から引き継いだ陰湿ないじめのやり方もフル活用して、ヒロインたちがいなかったら主人公は自殺でもするんじゃないか? ってほどの苛めだ。
それなのに、いじめの主犯の婚約者を狙うとか、ばれたら悪役令息の逆鱗に触れて即ジ・エンド。
なんなら、疑いの時点で死ぬこともあるからなあ。プレイヤーの間では、隠しルートよりも難しいなんて言われるレベルだった。
俺も何度死亡した分からないぐらい繰り返して、ようやく攻略できたからなあ。
この時点で、二つのゲームが混じった弊害で本来一つの特待生枠が増えたり、メインキャラの被りが起きていて、だいぶんややこしいんだが……まだややこしくなる。
この体が通ってる学園は大陸でもトップの大きさの、王国にある。
様々な国から、貴族がやってきて繋がりを作ったり、魔法や剣、礼節など様々なことを学んだりする。
で、だ。王国ということは、当然王がいる。その息子は王子で、娘は王女だ。
なおかつ、ファンタジー物の乙女ゲーのオーソドックスとしてはメインヒーローが王子で、力が覚醒した主人公とラスボスを倒して、王と王妃として末永く暮らしたというものだ。
それが、ギャルゲーの方にも適用されているせいで、特待生の二人には別の伝承の力があって、その力の源である主神も二人。
先に覚醒した主人公と結ばれた方が、王や女王になれる。
しかも、何が恐ろしいって――ルート次第では、王子とも王女ともくっつかないことがあるということ。
その場合は、継承権に則って第一王子か第一王女が玉座に座るわけだが……その場合だと、まず間違いなく継承争いが起こるな。
とまあ、分かったのはこんなところだが、勿論この情報を集めている間もずっとオートモード。
体が勝手に動く感覚に慣れたら、自分で動かさなくていいから、暇すぎて最近は
まあ、魔法がある世界でいじるとすれば、魔力だな。
この世界で目覚めて数日間、特に俺がすることもないので授業中とかはボーっとしてたわけだが、魔法の授業とかで魔力を使ったり、苛めとかで魔法を使った時とかに体の中で動くものに気付いた。
気づいた当初は、体の中を虫が這いずり回っているように思えて、そんな感覚はないのにぞわぞわっとしていた。
とはいっても、人間慣れてくるもので初感知から一週間もすれば、そこまで気にすることもなくなった。
ファンタジー小説ものとかで言われているような、熱い、みたいなのは全然なくて……むしろ、温度がない不思議な感じ。日本で生活してた頃には一切感じたことのない感覚で、たぶん血管が通っている場所をグルーっとしている。
一回意識して、慣れると不思議なもので、まるで生まれた時から普通に感じていたような呼吸とか皮膚感覚とか諸々の普段は意識しない日常的な動作と同じようになっていった。
その流れが使われる感覚があるたびに、段々魔力を動かす感覚が分かってきて、最初は回転率を上げたり(いつもよりも身体能力が上がってたかな?)、逆流させてみたり(体がすごい不調に襲われれて、感覚の共有で俺も吐きそうになってた。何ならはけない分だけ、俺の方がつらいかも。そんな状態でもいつも通りの生活した悪役令息には感心した)するうちに、コツをつかめたのか魔力の流れから魔力の塊のようなものを取り出せるようになっていた。
取り出した塊は体外に出るということはなく、俺の捜査の手を離れたら自動で流れに戻っていった。
最初はどうすればいいのかわからず、次第に無駄機能なのか? と思い始めていったが……ある時、この塊を感覚は違えど、まるで粘土のように寝ることができるということに気が付いた。
しかも、それが意外に楽しい。
一瞬で魔力を練る魅力にはまってしまった俺は四六時中、それをしていた。
練り上げた魔力は、普通と少し違うらしく俺はそれを練魔と呼ぶことにした。
練魔は使用しない限り、ひたすら蓄積されるせいで、なんか魔法の威力が上がってしまって、シナリオにはなかった事件が起きたけど、問題なく元の流れに戻っていった。
さっすがオートモード! さすオモ? でいいのか?
まあ、そんな感じでひたすら体がシナリオを進め、中身の俺は練魔をし続けること一年。
破滅の時がやってきた。一年が短いか長いかは人によると思うが、練魔にハマってしまっていた俺としては、もっと時間が欲しかった……! というのが偽らざる本音だ。
断罪イベントは学園のパーティーみたいなので行われるわけだが、悪役令嬢はともかく、俺はどちらのゲームでも裁かれる運命にあるから、同じタイミングで王子と王女が声を上げたせいで、現場は『お、おう……』みたいな妙な雰囲気になってたのが面白すぎた。
体が動かせたら、たぶん床を腹抱えて転がりまわってたと思う。呼吸困難になりながら。
すごくきまずそうな雰囲気の中、順番にそれぞれから俺の罪状が読み上げられるわけだが……。
悪役令嬢の罪も俺に上乗せされてた。ウケる。
二つのゲームの俺+悪役令嬢の罪は、もう膨大なものだった。周り引いてたし、王子と王女と主人公二人と、あと攻略対象どもも段々『えっ……こいつマジで?』みたいな顔になっていってるし、何なら中身の人である俺が一番引いてる。えっぐ……。
悪役令嬢は、最初は主人公たちと仲直りしたのか、向こうで俺をさげすんだ目で見ていたし、自分の罪が俺に着せられているのも、いい気味だ、みたいに笑って聞いていたが、俺の罪状が段々増えていくにつれて顔が青ざめていき、最後には申し訳なさで顔色真っ青、周りの令状が気付いた時には低体温症の人みたいな顔になってた。
そんなこんなで追放処分。
ちなみに悪役令息はあがいてた。それはもう醜く足搔いてた。すんごい暴言吐きまくってたし。
俺がコツコツためてきた練魔も全部使いやがって、二つのゲームの覚醒した主人公が戦力を使わないといけない規模の魔法使ってた。
往生際悪いぞ!
さすがに爵位は高かっただけに、極刑までは無理だったみたいだが、実家からは勘当。
王都から僅かなお金だけ(それでも、平民として暮らすなら向こう数年は普通に暮らせる額)を持たされて放り出された。
悪役令嬢なら、このまま他国の好色な権力者のもとに婚約の名のもとに売られたり、野党に襲われて傷物にされたりみたいなことになるのかもしれないが……残念ながら俺はオス。
乙女ゲーのメインキャラで、顔が整っているとはいえ、特にそんな需要があるわけもなく、無事次の街に行くまでに死にました。
変な意地張ってないで、途中の村にでも寄りながら向かえばよかったのにね。
残念ながら、ここで俺の人生も終わりかあ……と思っていたが――目覚めたときには、時間が巻き戻っていた。
まさかの二週目突入である。
命が長らえたのはめでたいし、うれしいことだけど、前回死ぬまで作り続けていた練魔が、きれいさっぱり無くなっていました。悲しい。
俺が前回から引き継いだのは、この記憶と魔力関係の技能だけっぽい。
なので、今回はちょっと魔力以外のものをいじろうかなって。
前回でもちょこちょこ感じていたけど、この世界には魔力以外にも、体内に地球にはなかった変なものがあるらしい。
前回も魔力を見ることはできたんだけど、一部の生徒で魔力をほとんど使っていないのに、魔力なしだと納得できない動きをする奴がいたんだよんね。
うーん、不思議! で前回は済ましていたんだけど、今回はもうちょっと深堀しようと思う。
前回でもそういうやつと戦ったりしたときに、体の中で変な動きを感じていたので、今はそれを再現しようと頑張り中。
一週間たった。一切進展なし。
時間はまだまだあるけど、もしかしたらこの方法ではできないのかもしれないと思って、別のアプローチをしてみようと思う。
まず、能力の特徴を洗い出してみよう。
一つ目。おそらく肉体や物の強化のみできる。魔法の強化とかはできないみたい。
二つ目。使った後は大なり小なり疲れる。大技の後とかはゼーハーしてた。
これに日本のファンタジー知識を掛け合わせると、おのずと答えは出るはず。
………なんだろうね?
さらに数日。
仮説を一つ立ててみた。
たぶん、この世界はMPである魔力と、HPである生命力がある。
で、
この世界のもとのゲームでは、一部のキャラのみ乙女ゲーの方ではSP、ぐありげーの方ではBPと呼ばれる特殊ゲージを持っていて、それを使うことにより魔法ともスキルとも違う、武技と呼ばれる技を使うことができた。
それが混じった結果、変化したのだろう。
多分、合ってる。
なので、まずは生命力の感知からだな。
何か死にそうな目にあったりすれば、簡単にできそうだけど……オートモードだから無理かなあ。
……待てよ? 俺、よく考えたら一回死んでるじゃん。
あの時の感覚を思い出して練習すればいいのか!
天才的な閃きにたどり着いて一時間。
呆気なくできた。あんなに悩んだのはなんだったのか……ってくらい拍子抜けだった。
で、これまた魔力と同じく、違和感なく流れを把握できるようになった。
魔力とはまた違う感覚で、慣れないうちは気持ち悪かったけど。
そこから頑張って練習した結果――気を練り上げることはできるようになった。
練魔とは練り方の感じが違うから、見つけるのに時間がかかったけど。
それからはずっと気を練ってる。
そのせいで、悪役令息が常に息が荒い危ないやつになってしまった。
後、またもや魔力と同じように事故った。気はある程度力むと制御できないうちは自動で使われるらしい。気を練ってるのは俺だから、悪役令息には一ミリも制御できないっていうことだね。
でも、こんな二つの問題を抱えているにも拘らず、前回と同じ流れに持ち込むなんて、さすがオー(ry
そんなことがあり、迎えた三週目。
……二度あることは三度あるっていうし。
今回は感覚を切れないか試行錯誤中。
最近思ったんだけど、こんな状況で、しかも目の前で自分の体がしてる陰湿ないじめを見続けて、なおかつ感覚が共有されているのに、二回も死んでいて平然としてる俺ってだいぶやばい人だよな。
それでも、痛いものは痛いから、気も引き継がれなくてやる気が消沈した俺は新たなことをしてる。
そんなやばい人は、極限の集中の中では、脳の機能の必要ない部分を削って動きを最適化できるみたいなことを日本で聞いたことがあるのを思い出して、その応用で精神の切り離しつまり幽体離脱みたいなことできないかなと模索中。
結論。出来た。
走馬灯をイメージして集中したら、なんかできるようになった。
これまた不思議なことに慣れると(ry
何はともあれ、いつでも精神の切り離しができるようになったので、やってみると――すごいことが起こった。
切り離した精神状態では幽体が悪役令息の頭上に漂っている感じで、体から出てる紐みたいなのでつながってる。
すごいことというのは、切り離した状態だと『俺』のほうの魔力と生命力が寝れるみたいで、かつ、悪役令息への影響は一切ない。
テンションが上がって、三週目はずっと切り離したまま気と魔力を練り続けていた。
四週目。
三度目の正直ならぬ、四度目の正直だ! と思ったけど、普通に四度目。
で、これまたすごいことに気が付いたんだけど、精神状態で練ってた気と練魔は引き継げるみたい。
モチベーション爆上がり!
しかも、最近は練魔と気を同時に練れるようになったので、交互に練ってた頃と比べると効率は二倍!
四週目に突入した俺のオートモードへの信頼は相当なものだと自分でも思っている。
だから、今回もいつもと同じ流れなんだろうな、と思っていた。
だが、何が起きたのか、悪役令息が途中の村に立ち寄って死ななかった。
それどころか、そこで出会ったすっごい可愛い村娘さんとラブコメを繰り広げて、幸せな生活を送りやがった。羨ましい!
学園にいた、どの令嬢よりも美人! しかも優しくて器量よし!
しかも幸運だったのが、この年まで大きな不幸もなく、領主や貴族に見初められて妾にされたりということもなく、ひっそりと佇む穴場の名店のように隠しとおされていたのだ。
悪役令息がやってきたせいか、途中で領主のおっさんに見つかって奪われそうになってたけど、腐っても元エリート校学生なだけあって返り討ちにしてた。
奥さんを看取って、孫達や息子、娘に見守られて満足そうに天寿を全うしてた。
今回の人生の人生は長かったけど、そのおかげで練魔と気の蓄積がすさまじいことになった。
それぞれ、悪役令息が一番魔力が多かった時と一番体力が多かった時のきっかり十倍。
やったね!
五週目の目標は15倍かな……とか考えていたら、いつもと目覚める場所が違った。
学園の入学式ではなく、普通の部屋―――いや、普通よりも天井が高いし、だいぶ広めの部屋だ。
どうしたんだろうと首を動かす。……首を動かす?
……えっ! えっ、エッ⁉
動く! オートモード切れた? えっ、なんで⁉
大混乱している俺を、通話でみたことあるだけの母親が抱きかかえて慰めてくれる。
いや若いな! あと、美人の胸に抱かれるのはいいんだけど、今じゃない!
しかも、手のサイズ的に俺赤ちゃん⁉
落ち着いた。
こんなことになった原因は一つしか考えられない。
明らかに四週目の動きが原因だ。やっぱりイレギュラーだったのか。
しかも、落ち着くためにした行動でさらに厄介な状況が判明してしまった。
ルーティーンってやつで、落ち着こうとした。
つまり、精神の切り離しからの練魔と気を練ることだ。
まず、精神の切り離しができない。これはまあ分かる。むしろ、生身で出来たら怖い。
つぎに、気。引継ぎの効果がバグったのか、生命力から意思一つで瞬時に変換できるようになってた。しかも、生命力が多い。明らかに赤ん坊の持つ量じゃない。
……これもまだいい。いや、よくはないけどまだましだ。
問題は次。
魔力だ。
なんか、全部が錬魔になってる。
悪役令息の魔力量と同じ量の練魔がデフォルトで体内を流れてる。……どゆこと??
さらに、なぜか練魔を練ることができる。
オートモードの際はこんなことできなかったので、あきらかに今の状況が原因だろう。
練魔の先は効率が劇悪で、しかも練り上げるのも高確率で失敗するからまだ手を出す段階じゃないんだろうけど……。
一応、確認のために練り上げてみると、血管を流れる魔力、肉体にとどまる練魔と違い、筋肉を流れる魔力になった。すごいムズムズする。
筋肉がパンパンになった時のピクピクする感じに耐えながら、考えたこの魔力の名称は転魔だ。
転魔は練魔には戻らず、その代わり時間経過で発散されるか、使用するとなくなる。
肉体限定の強化手段のようだ。強化倍率劇高の気、みたいな認識でいいだろう。
オートモードが切れて、体が自由に動くのはいいけどなあ……めんどくさいことになってんな。
まあ、でもひたすら練魔と気を練り続けてるだけよりも面白いだろうし、ポジティブに考えよう!
当面の目標は……四週目の悪役令息の嫁さんを貰うこと! いっちょ頑張るか!
……もう、悪役令息なんて呼ぶのはおかしいよな。
じゃあな――――
スラウス・アーケディア
ちょっ、待って待って母さん。
違うから。さっきのは気合を入れただけで、お腹が空いてるとかじゃないんだよ。
だから、授乳の準備始めんな。
この年でそれはすっごい恥ずかしさと、ちょっとの嬉しさが混じった微妙な気持ちになるから……!
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