星降る森で
ケー/恵陽
一章 噂のお店
000 喫茶ベリーベリー
星降る森と呼ばれる場所がある。
正式な名称はユーゴールードの森だったと思う。ユーゴ―ルーというモンスターの棲家になっている場所だ。長い耳を垂らした、小さなのモンスターは人懐こく、マスコットモンスターとされている。倒すことはもちろん可能である。初心者の冒険者でも二発くらいで倒せる弱小モンスターだ。
倒そうとしなければ触らせてくれるし、手を差し出せばすり寄ってくれる。もふもふ大好きな人にとっては至福の場所だ。名前の由来にあるように、夜になると星がとても近く、稀に本当に星が落ちてくる。とはいっても星形のこんぺいとうがこっそりアイテム袋に増えているというだけだが。
そんな素敵な場所に最近カフェがオープンした。出現するのはユーゴ―ルーだけのこの森ならば、異変さえなければモンスターに襲われることもない。問題は冒険者ギルドや他の住人の店が近くの町までいかないとないことだろう。
だが冒険の途中に寄るのならば、ちょうどいい休憩だ。店の扉を開ければ、それなりに潤っているようだ。
「いらっしゃいませー」
出迎えてくれたのはフリフリかわいい衣装のウエイトレスさんだ。奥からちらっと顔を覗かせている料理人も見える。
「いらっしゃいませ、お嬢様」
そしてやわらかい笑顔のここらでは珍しいエルフの歓待だ。これは期待してしまう。
こうしてひっそりと佇む店は今日もお客様をもてなしている。そのリピーター率は高い。
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