[Game Day] 第4Q (その2)
「
「2006年シーズンのワイルドカードプレイオフ、ダラス対シアトルのゲームで、20対21で負けていたダラスは、第4
「いや、本当にあり得ないことですよ。ジャクソンビルの大チャンスですね」
「中村さん、サイドラインはどうでしょうか?」
「意外に落ち着いています。最初からこうなることは判っていたという感じですね」
「逆転に慣れているということで、達観しているんでしょうか。村社さん、ダラスの方はどうですか」
「みんなが"unbelievable"を叫んでいます。
「さあ、ジャクソンビルの
「まずこの危険な地帯を脱しないといけません。セーフティーになるのは
「ダラスの
「どんなに早くしても次のプレイを始めるには15秒くらいかかりますので、どこかでアウトオブバウンズに出るか、パスを失敗するか、スパイクして時間を止める必要があります」
「自陣5ヤードから
「次で
「またショットガン隊形。レシーバーは左右に一人ずつ。中央へアンダーニースパス! ダレイマスに通りました。アクロスルートから左サイドに走って、20ヤードラインを越えてサイドラインを割りました。
「素晴らしいスピードでしたね。ダレイマスは右にセットしていましたが、ダブルムーブで外へ行くと見せかけて、内へ入りました。ダラスの
「自陣21ヤードから
「はい、1秒でも残して50ヤードライン付近まで行けば、レシーバーをエンドゾーンに走り込ませて、長いパスを投げて、あわよくば、ということですね。ナイトは肩が強くて60ヤードくらいは余裕で投げられますから」
「
「一発ロングゲインだけは防ぐということですね。ただし10ヤード前後だと通されてしまいますが、サイドラインに出さなければいいと」
「スナップを受けて、右に出たフレッチャーに短いパス。前が空いている! 10ヤード、15ヤードほどゲイン。インバウンズですので時計が動いています。スパイクしますか?」
「しますね。します。オフェンスはイリーガルモーションだけを注意しないといけません」
「レディーフォープレイの笛と共にスパイクしました。残り22秒。自陣35ヤードで
「やはり13秒くらいはかかってしまいますか。フレッチャーは10ヤードくらいから外へ走ろうとしましたけど、出る前に捕まりそうだということで、それならばと内側へ入って来たんでしょう」
「この後、ダラスはどのように守るでしょうか」
「同じですね。エンドゾーンさえ守ればいいですから、次もインバウンズでプレイが終わると残り10秒を切ります。そうすると、あとせいぜい2プレイ。ヘイルメリーパスの決まる確率は10%を切ると言われてますから、それに賭けるしかありません」
「ショットガン隊形で、レシーバーは左右に一人ずつ。早いタイミングで左のドーキンズへ投げました。通った! すぐにサイドラインを割って、ゲインは5ヤードほどですが、ここでイエローフラッグ」
「スクリメージラインのところで出てますね。
「右の
「5ヤード下がるより痛いのは時間が減ってることですね。4秒かかったので20秒切ってしまいました」
「自陣30ヤード、残り18秒です。ヘイルメリーパスを投げるには、少なくともあと15ヤードは進む必要があります」
「エンドゾーンの手前でキャッチして、走り込むというのはかなり難しいですからね。後ろにいる味方のラグビーのようにボールをトスして走らせるというプレイもありますけど」
「ショットガン隊形ですが
「次はもう50ヤードライン辺りへ投げないといけませんが、ダラスは厚く守ってくると思いますので、ジャクソンビルはどうするでしょうか。また中央へ投げると時計が止まりませんので、スパイクしても残り時間が0になってしまう可能性があります」
「ショットガン隊形で
「審判はキャッチのシグナルですね! ジャンプして捕った瞬間は、両足が宙に浮いてたんですが、先に左足を着いて、倒れる直前に右足を着いてます。ビデオで見ると判りますが、右足にバネかモーターが入ってるみたいに勢いよく動いて、足を着くと言うよりは地面を蹴ってるようですね」
「スーパーキャッチが出て
「ここでやるかもしれません。次だと必ずやるというのがダラスにも判ってしまいますから、敢えてここでということですね。ナイトの肩であれば届くと思います」
「これが最後のプレイになるでしょうか。ショットガン隊形でエンプティー、レシーバーを左に4人、右に一人置いています。スナップから
「左にいたドーキンズが一人だけ下がってたんですか? えー、どうしてこんなところに。彼がターゲットだと思っていたんですが」
「ドーキンズに走らせるんでしょうか。しかしエンドゾーンまでは50ヤード以上あります。ダラスの
「
「スペシャルプレイです! ヘイルメリーの
「ボールを落としているかもしれません。エンドゾーンに届いた瞬間持っていればいいですが、一瞬手から離れたように見えましたから、審判がどう判断するか」
「審判は判定を出さずに協議していますが、ナイトが倒れたまま起き上がりません。ジャクソンビルの選手がサイドラインに来い来いとジェスチャーしています」
「松田さん、フィールドの中村です」
「はいどうぞ。サイドラインからご覧になっていて、どういう状況ですか?」
「判定は出た後でどうせレビューすると思うんですが、ナイトが心配です。プレイが終わった瞬間から全く動きません。倒れ込む直前に頭と背中にきついヒットを喰らっているのが見えました。今、メディカルの人がチェックしています」
「画面では左右二つに割って、プレイの最後のシーンとフィールドの現在の様子が映し出されています。その間に判定の結果が出そうですが……ゴールラインの前で手からボールが離れたということで、タッチダウンならず!」
「"However"と言ってますね。さすがホキュリーさんです。スタンドの歓声がうるさくて放送がよく聞こえませんので、“静かにして”というジェスチャーをやってます」
「"We will review the play"、オフィシャルレビューをすることになったようです。通常、レビュー対象は得点したプレイで、ゴールに届かない場合は対象外なんですが、やはり最後のプレイだからでしょうか?」
「どうなんですかね。重要なプレイではあるんですけれども、フィールド上の審判の目視の判定と、リプレイオフィシャルの意見が違ったのかもしれません。リプレイオフィシャルはレビューを要求することはできますが、その前にレフェリーは暫定でも判定を出さないといけませんから」
「松田さん、フィールドの中村です。ナイトの状況ですが」
「お願いします」
「AEDが使用されるようです。心停止かもしれません」
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