閏年を求める

kattern

グレゴリオ歴の罠

 閏年の算出方法についてご存知だろうか。


 学校などではプログラムの授業の課題などでよく出題されるものだ。

 たぶん条件分岐の例題なんかに採用されていたように思う。


 なので本文を読む前から、情報系の学部に所属していた人間、あるいはプログラミングの授業を受けた人間は――あぁ、あれかと思ったかもしれない。


 ただ、社会に出ていろいろあって情報系の仕事から外れてしまった僕のような人間、あるいは学生時代にその方面については完全に捨てていた人間には、ちょっと思い出せない内容かもしれない。


 まぁ、業務で使うものでもない。

 情報系の人間でも忘れているかもしれない。


 無理はない。

 何せ四年に一度のことなのだから。


 というか、そもそも四で割ったら閏年じゃん。

 あったりまえでしょ。


 と、皆さん思うかもしれないが、どっこいこれが実は違うんだな。


 実は閏年とは、厳密には四年に一度のものではないからだ。


 世界で最も引かれている辞書――Wikipediaの閏年の頁を見ていただきたい。

 グレゴリオ暦についてのあたり(2020/02/29時点)に、閏年の算出についての正確な方法が記述されている。


 まぁ、要約するまでもないし、引用するまでもないんだが。

 以下に簡単に閏年のきめ方についてまとめる。


 1. 西暦を4で割れる年は閏年である

 2. ただし100で割れる年は閏年ではない

 3. ただし400で割れる年は閏年である


 以上。


 そう、この通り。

 閏年は厳密には四年に一度のものではないのだ。

 え、Wikipediaの内容でしょって疑うんなら、プログラムの本を探して読んでみるといい、たぶん載っていると思う。ちょうどいいテーマなのでね、閏年って。

 他にも、「閏年」「100年」とかで検索かけるといいかもしれない。


 さてさて、上で読んでいただいたことを理解していただければ分かるだろう。実は四年に一度より、すごいことが起こっているのだ。この文章を読んでいる皆さん――の多く――には経験がおありだろう。

 2000年の方が、四百年に一度しかない、閏年オブ閏年。

 かなりレアな日だったのである。


 カクヨムの四年に一度、ようやく一歳の理論で行くならば、2000年2月29日に産まれた子は、四百年に一度しか来ない日に産まれた特別な存在であり、四百年に一度だけ年を取るということになる。

 こりゃまたすごい話である。


 年齢芸でぶいぶい言わしている、デーモン小暮閣下やゆかりんもびっくりのグレゴリオ暦で0歳時状態が400年続くという、チートチャイルド。


 これ読んでる人の中に、2000年2月29日生まれだよって言う人が居たら自信をもっていいと思う。それくらいレアな日に君は生まれたんだ。

 それでなくっても、君という存在はすばらしいけれどネ。


 なんのよいしょや。(困惑)


 まぁ、四年に一度でなんでこんな話の腰を折るような、上げ足を取るような、それでいてどうでもいい話をするのかといわれりゃ、別にぱっと思いついたのがこれだからなのだが。

 いやはや、すんませんね、四年に一度に文句をつけるような話を書いて。


 よいしょするならカクヨム運営をよいしょしとけってもんでしょ。

 おめーもー本当に。


 とまぁ、そんなわけで。

 閏年が四年に一度かどうかはともかく。


 なんにしても四年という歳月は一つの区切りだ。

 オリンピックにしろ、ワールドカップにしろ、節目節目はいつだって四年である。だいたい仕事も、四年目くらいから独り立ちするし。こじつけ感はあるが、この歳月はいろいろなものを変化させるのには十分な時間のように僕は思う。


 四年を機に、新星が現れ古兵が去る。

 あるいは、四年の雌伏を経て、ようやく日の目を当たる。


 これまで四半世紀近くに渡ってそんな新陳代謝が、いろんな世界で、いろんな文化で繰り広げられてきたわけだ。


 カクヨムでも、その例に倣って四年を節目に大きな変革をしてくれると嬉しいな、飛躍をしていってくれると嬉しいなと、割と古くからいる古参ユーザの僕としては思ったりする。新しい書き手の誕生、古いベテランのいぶし銀の技、増えたユーザーたちの熱い声援。そんなモノが見られる盛り上がった場、そして一年になってくれれば、この四年を、あまりサイトの役には立てていないが、一ユーザとして共に歩んできた身としては嬉しいと思ったりする。


 まぁ、ツイッターではもうええやろとか書いたが。

 なんにしてもいろいろと世話になったのはこのカクヨムだ。


 たぶんこれからも、いいように使われて――いい加減書籍化とかさせてくれ――負け犬の顔をしながらも、ここを主戦場にしていくんだと思う。

 たぶんね。(だって他の所行っても読まれないし)


 僕の話はいい。


 さぁ、四年に一度の話に戻ろう。


 オリンピックよろしく、今年はカクヨムの節目の年だ。

 果たして僕が去る側なのか、飛躍する側なのか。

 それともまさかの新星なのかは分からない。

 そしてこれを読んでいる人もどうなるかわからない。


 けれども、オリンピックに参加することが意義があるように、コンテストに参加することに意味があるように、公募というバッターボックスに立つことが大切なように、カクヨムも参加することに意味がある。

 投稿し続けることに意味があると、僕は思っている。


 そして、そんな――オープンで公正で、だからこそ残酷で美しい場所が、四年に一度の節目をこうして迎えられたことを嬉しいと思う。

 無事に今日まで、僕たちと共に歩んでこれたのを嬉しく思う。

 なので一つ、ここは友達として、彼を祝おうじゃありませんか。


 カクヨム一歳おめでとう。

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