情緒不安定なイベッテ

 イベッテの様子がおかしい。


 いつもと違うとは思っていたんだが・・・・


 あの何事にも怒らない優しいイベッテが今日はやけに強気で、伯爵さまだろうと、父である王様であろうと容赦がない。

 あんなイベッテは見た事なかったからなあ・・・・?

 しかも今は、俺が・・・・気を失ったのかな?は自分のせいだと言い張り泣きわめく始末。

 一体どうしてしまったんだ・・・・?

 シビルがやってきて・・・・


「イベッテさんは、色々あって精神が不安定になっているみたい。暫く休ませたほうがいい。」


 との事だったので・・・・何故かヒルダがイベッテに付き添い、奥で休んでもらう事となった。


 そして・・・・筋肉だるま達は・・・・

 食欲旺盛で、がっつり食べていた・・・・

 世津達スキル持ちが作る料理はもう絶品らしく、王都でもこれほどの物は食えん!とか言いながら、皿まで食べる勢いで食べる食べる。


 食べ終わって俺が剣を差し出すと・・・・何故か無言で受け取る王様。

 その時の、師匠と伯爵さまを含めた3人の、何とも言いようのない視線に違和感を覚えつつ、俺は・・・・伯爵さまは徒歩で帰ってもらうとして、王様と師匠は船で送る事にした。

 ゲートでもいいんだが・・・・しょっちゅう来られても困る上に、あまりゲートを見られたくなかったからだ。

 俺も欲しい、となるだろう。

 だが・・・・貰いものだから、俺は作れない・・・・


 船で送り届けたが、あまりもの快適さに、儂にも一隻作ってくれ!と言われたが・・・・


「船の本体を用意してくれれば、たぶんできますよ?」


 と答えたが・・・・


「こんなのどうやって用意するというのだ?」


 と。

「じゃあ、こちらで用意するので、金出して?」


 と言うと・・・・


「あんな豪華なのでなくてもいいのじゃ!」


 と言ったので、

「そこは妥協したくありません・・・・」


 俺は検索しながら見つけた・・・・

 レク●スの本気のクルーザー L◇650

 値段もすんごい。

 手間賃含め・・・・大白金貨10枚?


「元手が大白金貨7枚、改造費含め・・・・10枚で。」

「なん・・・・だ・・・・と・・・・!」


 今乗っているヤ▼ハのも滅茶苦茶いいんだけどね・・・・


「じゃあ・・・・将来の・・・・レシティアへのプレゼントにどうですか?」


 と・・・嫡男の娘・・・・孫に・・・・と。


「何・・・・それは・・・・あり・・・・か?」


 購入されるようです・・・・

 一応、水辺でポチらないとな・・・・

 まあ今は送る事が優先なので、購入、改修は後で。


 王都へ到着後、王様はまあ・・・・奥様にこっぴどく怒られていた。

 そりゃあ一国の王様が、体一つで走って行って、どうしろと。


 俺は・・・・姿を見せてきたレシティアに、まだ早いと思いながら、真珠のネックレスをプレゼントしたよ。

 お菓子もいくつかプレゼントしたら何故か顔を真っ赤にして、喜んでくれた。


 あ、そうそう、一応王様にはね・・・・王妃へのご機嫌取りに、真珠のネックレス・・・・伯爵さまが仰天していた奴・・・・あれをプレゼントするよう言い含め、渡して帰ったよ。

 2つあったからね・・・・持ってても仕方ないし。


 あ、そうそう、妻’Sにはきちんと装飾類に関しては好みを聞いて渡している。


 まだ世津や三津枝には早いが・・・・イベッテや佐和には色々と。

 特に佐和は詳しかったので、ネックレスやイヤリングなど、いくつも渡してある。


 何か、共有するらしい。服装やその時誰が付けるのか、どういう名目なのかでも変わるので、と。

 そして・・・・

 あれ?最近佐和って太った?

 ちょっとお腹が・・・・?


 そう言うデリカシーに関しては、ズバッと言うと機嫌が悪くなりそうだから言わないけれど?


 まだ何も気づかない阿呆な俺だった・・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る