クランにある鍛冶場の炉で・・・・

 結局王様に新たな武器を作る事になってしまった・・・・作るというか打つ?

 もう、今からやってくれ!となったので、皆で鍛冶場へ行く事に。


 俺・・・・何か忘れているような気がして・・・・何だっけ?とか思いながら、思い出せないのだから大した事じゃないだろう?とまあ・・・・

 そんな事を考えている時もありました。

 そして・・・・鍛冶場に到着し、炉を見た筋肉だるま’sは固まってしまった・・・・


 はて?と思ったら・・・・あ!しまった!思い出した・・・・


 ピザ食いたいなあと思い、本格的に焼こうと思うと、ピザ釜がいる・・・・

 急に作れないし、と思って、ふと気が付くと、窯あるじゃないか、鍛冶場の炉が・・・・と。

 炉の中に耐熱煉瓦で土台を組んで、板を敷き、そこでピザを焼く。

 我ながらいい出来のピザが焼けたので、妻’s達と美味しく頂いていたんだっけ・・・・


 その名残というか・・・・生地が置きっぱなしで・・・・トッピング済みの奴。

 もうちょっと欲しいとか思いながら、忘れていたっけ?


 そして俺は・・・・鍛冶師の命と言うべき炉になんて事してやがるんだ!と怒られた・・・・


 良いじゃないか、俺の炉なんだし、どう使おうと。

 折角なので、余っているピザを焼いて、振舞った。

 ずっと走ってきた3人はお腹が空いていたようで、筋肉だるま達は焼けたらすぐに食いついた。

 ピザは焼き立てが一番だからな・・・・

 そして・・・・食べ終わり、炉の中を綺麗にし再び火をともす。

 今回は・・・・アダマンタインか・・・・何かこの素材、色々言い方があるようで、アダマントとかアダマンタイトと言ったりもするらしいが・・・・


 まあいいや・・・・

 伯爵さまの時と同じような手順で加工を開始する。

 スキル総動員だな・・・・

 そう言えば、こんな作り方を親方が見るのは初めてだな。

 親方は・・・・食い入るように俺の作業を見つめるが・・・・何か驚いているようだ・・・・

 まあ気にしないでおこう。

 俺は・・・・マイ槌を取り出し、素材を手に取り、加工を開始する。

 使うスキルが増えるたび、気持ちが昂る。

 使うスキルを全部発動した瞬間・・・・何だか頭の中がはじける感覚。

 俺は意識が飛びそうになるが、身体が勝手に動いていく。

 何も考えられなくなり・・・・


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 気が付けば、ベッドの上にいた。

 あれ?何で俺ベッドの上に居るんだ?

 イベッテが心配そうにこちらを見ている。


「イベッテ?どうした?」


 俺が聞くと・・・・


「ごめんなさい・・・」


 イベッテが泣き出す。

 ああ!女を泣かせるなんて、俺は最低だ!


「すまんイベッテ、俺が悪かった、だから泣かないでくれ・・・・」

「違うんです士門さま。剣を打つようにしてしまったのは私です・・・・士門さまがあのようになるとは知らず・・・・簡単に決めてしまった私が許せないんです・・・・」


 何があったか分からないが、俺は意識が無くなったまま何かやらかしたようだ・・・・

 そして・・・・またもや二振りの剣を差し出すイベッテ。

 テーブルに置いてあるんだけどさ。


 俺が起きたって事に気が付いたのか、妻’s達も俺の傍に来る。


「その・・・・迷惑かけたな。」


 よく分からないが謝っておく。そして・・・・皆が剣を見るので俺も見る。

 ・・・・なんだこれ?

 黒と白の剣だ。

 剣にはびっしり何か紋様がある・・・・その紋様、常に光が走っている。

 よく見ると・・・・伯爵さまの時もそうだが・・・・精霊が宿っている。

 それと・・・・凄い魔力を感じるんだが・・・・俺何をした?


 この剣の名はそれぞれエクツァーとシルヴァー

 と言うらしい。

 宿った精霊の名前みたいだ。


 そして・・・・この剣は、ラクシュアノス王国の象徴の双剣として、代々の王に受け継がれる事になる。

 うわ・・・・何て物を作ったんだ俺?

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