簀巻きにされる王様とか・・・・

 この国は本当に大丈夫か?

 女性が入浴中の風呂場に王自ら乱入するとか・・・

 そして・・・・実の娘に簀巻きにされ、玄関に捨てられる王様とか・・・・

 ミゲルさんと並んで簀巻き・・・・


 この間に皆着替えを済ませ、王様を退治する準備を整えた。いや、退治って・・・

 王様、1人でここにやってきたかと思えば違うようで・・・・王様が簀巻きにされている玄関に、さらに大男が2人やってきた・・・・


 1人は問題の伯爵さま、もう1人は・・・・王都にいるはずの鍛冶師、師匠ことガエル・バルリエントス。

 どうやら3人は、昔冒険者時代にパーティーを組んでいたらしい・・・

 筋肉だるまの3人脳筋パーティー・・・・

 うわ・・・・


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 筋肉だるま3人が、クランの応接室に設置してあるソファに座っている。

 もう見た目むさ苦しい・・・・

 いくら王様とはいえ、アポなしでクランの拠点に来るとか・・・・色々おかしいだろう?

 3人はイベッテにこっぴどく言われたらしい・・・・

 そして・・・・ここまでおよそ250キロある距離を・・・・

 この3人、なんと自ら走ってきたらしい・・・・

 時速50キロで5時間・・・・?

 もう人間止めているんじゃないか?


 100m走でも、トップアスリートで時速40キロいっていなかったよな?

 それを時速50キロで5時間、休憩なしでって・・・・


 流石に2人は遅れてしまい、王様だけが先に辿り着いたらしい・・・・

 で、何でこの場所3人共知っているんだ?


 そして・・・・

「伯爵さま、剣を出して下さい!」

 伯爵さまが二振りの剣をテーブルに出したが、イベッテが問答無用で取り上げた・・・・伯爵さまが泣いている。ひどい扱いだ・・・・それを平然と実行するイベッテ。

 彼女を怒らさないように気をつけないと・・・


「イベッテ、儂はただ・・・・プラシドがあのような剣を見せびらかし、婿殿が打ったと言っておってな、何故他人のあ奴に打って、義父である儂には打たんのかと、もうそれしか考えられんようになってな・・・・」


 なんでアダマンタインとか言う素材を持ってくるんだ?

 打ってもらう気満々じゃないか?

 そして師匠は・・・・


「だってなあ、弟子があんなのを打っておったら、是非とも弟子の成長を見てみたいじゃないか?」


 そう言う師匠だが、イベッテ此処でも容赦がない。


「で、本音はどうなんですか?」

「・・・・すまん、ぜひ打つ所を見てみたかったんじゃあ・・・・仕方ないじゃないか!ヒヒイロカネをあんな見事に・・・しかも精霊様まで宿っておるし・・・・どうやったのか是非とも見たいじゃないか!」


 はあ・・・・どうすんのこれ?


「あ、伯爵さま、士門さまが打ったこの剣、加工代きちんと払って下さいね?聞けば伯爵さまが打つように仕向けたとか・・・・?」

「うぐ・・・・ちょっと値段勉強してくれんかね?この地におると言うなら、色々便宜を図ろうじゃあないか!」


 うわ・・・言っちゃったよこの人。

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