第697話 魔王城での戦闘
勇者パーティは魔王の居る部屋に入り込むと、そのまま魔王に襲い掛かる。
「そう慌てずともよいではないか!少しは話を「誰がお前の話に耳を傾けるというのだ!」聞く気は・・・・ないか。」
ヨーリスとライナスが剣で魔王に切りかかり、3人の女性あそれぞれ魔法とよくわからない武器と、そして補助魔法で魔王を追い込んでいく。
クサーヴァーは後ろでじっと様子を見ている。
【思った以上に弱体化していないな。これは仕掛けるしかないな。魔王には一度奥に引っ込んでもらうか、耐えてもらわねばならないが、どうだろう。】
クサーヴァーは魔王にあらかじめどうするか話していたので、早速実行すると伝える。
【わかった!では一度奥に向かう。】
魔王は腕に魔力を込め、自分の周りに魔力を放つ。
危険を察した勇者は、
「魔王から離れるんだ!」
その言葉の直後に放たれる魔王の魔力による攻撃。
その前後でそれを後ろに飛びのくようにして避ける5人。
その間に魔王は少し奥に行き、クサーヴァーの隣に立ち、クサーヴァーは物理結界を展開する。
そして勇者たちを別の結界で囲ってしまう。
「おいクサーヴァー、どういうつもりだ!こんなのすぐに無効化できるぞ!」
そう言って結界を解除しようとするライナス。ヨーリスはライナスを見守っている。
だがそれを待つほどクサーヴァーはお人よしではない。
「残念ですがここまでです。さようなら!」
そう言ってクサーヴァーは手をかざす。
すると勇者パーティの頭上にあらかじめ部屋の天井に仕掛けておいた仕掛けが解除。
すさまじい勢いで真っ白な粉が降り注ぐ。
「なんだこれは!」
「甘い?」
クサーヴァーは穀物の粉と、砂糖を混ぜた粉を天井から落下させていく。
粉が結界内に充満し、勇者たちは真っ白になる、
「くっ!なんだよ時間稼ぎか?」
クサーヴァーは天井から別の仕掛けを起動させる。
そして、
「よい旅を!」
その瞬間その仕掛けから火が噴き出し、
ドゴ――――――ン!!!!!!!!!
結界内がたちまち爆発する。
「きゃああ!!!」
「うがああ!!!!」
魔術師キトリーはクサーヴァーが何かをするのを予測し、魔法攻撃に対する防御を展開したが、これは魔法による攻撃ではなく、意味をなさなかった。
いわゆる【粉塵爆発】だ。
爆発が終わると、そこには辛うじて息のある5人が倒れていた。
ヒーラーのペトラはまず一番近くに居たオーセに回復魔法をかけ、次にキトリーにかける。
自分にもかけた所で魔王がやってくる。
「ふは!ふはははは!あっけないものだな!」
これ以上魔法をかけさせるわけにもいかず。魔王は無防備なペトラを蹴りつける。
「ぎゃ!」
そして回復したてのオーセとキトリーも同様にけりつける。
3人とも蹴りの勢いで吹っ飛び、それぞれ壁に激突。
「何だあっけないのう!」
ここでヨーリスが何とかゲートを取り出し魔王の前に立ち、
「ライナス、3人とゲートへ!」
「うぐ、わかった。」
応えるライナス。
こうして勇者パーティはクサーヴァーの策略で戦意を喪失、逃げ帰る事となった。
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