第689話 それぞれの謎

「クサーヴァー、何か気がかりがあるのですね?先ほどの娘さんですか。」

「彼女らは関係ない。まあ同じ孤児院にいた誼で、できればあいつらには冒険者なんぞにはなってもらいたくなかったんだよ。ただそれだけさ。」


アルフォンシーナはこの後クサーヴァーの元から去っていく。


そうして暫くして戻ってきた。

「なるほど・・・・もうあの娘達の事で気に病む事はありません。」


聖女アルフォンシーナの口添えなのだが・・・・

クサーヴァーは一緒にやってきた3人が無事に勤め先を見つけたのを確認し・・・・


「余計な事をしやがって!」

敢えてそう言った。


「まあいいではないですか。さて、今後ですが、あの2人とパーティを組むのですね?」

「ああ、俺があの2人を導かないといけなくてな。」

「魔王を討つ旅は果てしなく長いですよ?」

「・・・・俺の事はいいんだ。あいつら馬鹿だからな。勇者がナニモンとかわかってねえし。」


ヨーリスはわかってないだろうが、ライナスは何か違う。

あいつは何もんだ?そう思うクサーヴァーだが、口に出しては

「これはまだ始まったばかりだからな・・・・まだまだ厄介ごとは多いんだよ。」


ここまで聖女と話していて、愕然となった。

自分はいったい何を話してたんだ。

肝心な事は言わなかったつもりだが、そもそもこんな話はするつもりがなかった。

聖女・・・・気をつけねば。


そして聖女は2人の所へ。


これ幸いとクサーヴァーは今後の事を考えるのだった・・・・


そして聖女とヨーリス、ライナスと娘のアメリータが一堂に会し


「改めまして、聖女アルフォンシーナでございます。こちらは娘のアメリータ。娘は冒険者にはなりませんので、今後は別行動ですが、今後貴方達3人が一人前になるまで、私が同行いたします。」


え?と驚くヨーリスとライナス。

特にライナスは、この世界の事について色々調べていたので驚く。

「あ、あの、聖女様がなぜ僕達に?」

「ライナスさん、ヨーリスさん、今後は呼び捨てにいたしますが、あなたたちは大いなる運命に巻き込まれてしまいました。特にヨーリス、貴方は理由はどうあれ、今は勇者です。それにライナス・・・・あなたは転生者ですね。」


ヨーリスとライナスは席を立ちあがった。

「な・・・・何故それを!」

「警戒するのは当然ですが、私は貴方達を導くのが役目です。魔王を討伐するまで・・・・と言いたいところですが、私は貴方達がある程度戦えるようになれば離脱いたしますので、それまでは私が持つ全ての知識を用い、立派な勇者パーティになるように指導いたしますので、覚悟くださいね?」


なんだかんだで主導権を握る聖女だった・・・・

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