第660話 勇者ヨーリスと転生者ライナス その4

4名はきょとんとした顔をしている。

「いいか、それにはな、多少魔法を防ぐ付与と、防御力を劇的に向上してくれる付与を施してある。身体能力も少し向上するはずだ・・・・ついでに多少快適になるだろう・・・・寒さ暑さに対しても多少効果がある。それにだ・・・・それがあればな・・・・風呂に入らなくても・・・・身ぎれいでいられるぞ?」



クサーヴァーはこれを造るのに苦心した。

金は持っているので、自身でできない分は金を払ってやってもらった。

実際このブレスレッド、売れば10年は遊んで暮らせるだけの価値があるのだが・・・・

言わなかったが、貞操機能もある。

今後彼女らが大人になれば、野党に襲われたりして、殺された方がまし・・・・

つまり男に犯される心配があるのだが、それを回避できる機能もある。

それを今渡した。

だが、鑑定などもっていない4名はこのアイテムの有用性に気が付いていない・・・・

「いいか、何があっても手放すな!それと他人に喋るな!喋れば腕ごと切り落とされて持ってかれるからな!」

「へ?そんなの嫌よ?まあ・・・・別に喋っても仕方ないし?貰ってあげるわよ・・・・」

・・・・まあこいつら、なんだかんだ言って俺がこうしてまじめに言った場合、従ってくれてたからな・・・・まあ問題ないだろう?


「で・・・・本当にそんな効果があるとして、何でそんな事をしてくれるの?」

・・・・本当はしゃべって感謝されたいのだが、それは今すべき事ではない。

「は?先行投資だよ?お前らひょとしたら大化けしていい女になるかもだろ?その時俺に股広げてもらうのにちょうどいいじゃないか?」


バシッとほっぺに何かが・・・・

「最低!だけど・・・・私ら見た目よくないからさ・・・・まあこんなのでも私ら装飾品なんて持ってないし?クサーヴァー、あんたの考えは理解できないけど、あんたが言った事に今まで・・・・悔しいけど間違った事はなかったからさ、今回も言う事聞いてあげるわ!」


それでいいと思いながら・・・・

もっと親密になっておきたいと思いつつ、あまり仲が良くなると、別れが辛くなるからと敢えてそのまま突き放つ。


「何?言う事を聞いてあげるわ!だ?お前らに選択の余地はないんだよ!ほらさっさとつけろ!」


そう言って全員に無理やり装備させる。


「あ・・・・何だか体が軽くなった気がするわ。」

「・・・・ありがとクサーヴァー、これ高いんじゃないの?」

「・・・・それの価値が分かる様になったら、俺に代金を払えばいい。その価値に気が付くようになった頃には、お前らも裕福になってるだろうからな!ってお前らじゃ一生気が付かんか?」


「折角あんたの事を見直してあげようと思ったのに・・・・やっぱりイカれクサーヴァー!デリカシーなし!そんなだから女の子にモテないのよ!」


「ふん!余計なお世話だ・・・・ほら、もういいだろ?出発するぞ?」


願わくば4人が幸せに・・・・と思うクサーヴァーだが、やはり4人にはその気持ちは届かなかった・・・・

いや、わざとそうしてるからそれでいいんだけどな。クサーヴァーはまたもや独り言ちるのだった・・・・

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