第642話 千亜希の暴走
「ねえお姉さま?なんて呼んだらいい?和佳さん?和佳ちゃん?和佳?うーん・・・・やっぱりお姉ちゃんがいいかなあ?」
・・・・いきなりテンションマックスの我が娘千亜希。
そして呆然と見ている遼太郎。
和佳は駄目だぞ?お父さんのだから!
「ねえねえ、お父さん、和佳さん連れてっていいでしょ?ね?ね?」
千亜希は既に和佳の袖をつかんで自分の部屋に引っ張っている、
「これ千亜希、少し落ち着きなさい。和佳が困ってるじゃないか?」
困惑した表情の和佳。
「ええと・・・・問題ございませんわ。宜しければ暫くお嬢さんとご一緒してまいりますわ?」
「きゃあ!さ!こっちに来て?」
因みに千亜希の部屋には大学院に通う為のゲートが設置してある。
「千亜希、もう少し待ちなさい。せめてお父さんの説明を聞いてからにしなさい。」
「ええ~!何よ説明って?」
「和佳はまだこの世界に来た事が無いんだ。万が一があると困るから、人の多い場所に行く時は、十分気をつけなさい。」
「なんだそんなの?わかってるわよ?」
「あとなあ・・・・彼女は人ではなく精霊だ。居ないと思うが、それに気が付く人がいるかもしれない。そんな時は和佳の指示に従い、速やかに戻る事。それも居場所がばれないように、だ。」
「・・・・それも今更な感じだなあ?」
「後は千亜希についている従魔、彼らが何か指示を出した場合、よく確認する事。あ、お前たち、万が一は指示ではなく強制的に逃げる事。その場合、お前たちの判断でいいが、姿を見られてもいいから、とにかく逃げる事。」
おっさん床に向かってそう言うと・・・・
【わかったのじゃ!】
【仰せの通りに。】
【OK牧場!】
おい!3体目なんだ今のは!
「ねえもおいい?ねえ、和佳さんあっち行こ?」
結局呼び方どうするんだ?
【和佳、すまないが少し娘の相手をしてやってくれ。】
【よろしいのですか?】
【ああ、まあ娘もずっと色々我慢してるからなあ・・・・あ、他の精霊はこっちに来てるのか?】
【マスターの剣と鞘に何体か。それとご子息様とご息女様の為にと何体か精霊が付き従っておりますわ。】
【そうか・・・・取り合えずこのネックレスを渡しておく。これにも精霊がいるよな?】
色んなアイテムに精霊が宿ってるはず・・・・そう聞いてるんだけどね。
【このネックレスには上位の精霊がおりますわ。いざとなれば、ご息女様単身でこの精霊を顕在化させる事ができますわ。ネックレスの魔石は小さいながら高密度ですから。】
【まあ、頼んだよ・・・・千亜希専属の精霊も必要だろうからね・・・・】
「お父さんじゃあね・・・・ねえ和佳さんっていくつなの?それに羨ましいわ!そのスタイル・・・・」
「まあ、千亜希様は少しお小さいようですが、世の中そのぐらいの背の方が女は有利なのですよ?」
「え?本当に?」
「ええ・・・・」
2人は去っていった・・・・そして残されたおっさんと遼太郎。
「遼太郎、どうした?」
「・・・・めっちゃ綺麗な人だなあ・・・・」
「あれは駄目だぞ?ほしいなら別の人・・・・じゃない、精霊を顕在化させるぞ?」
「え?あの和佳って女の人みたいなのが僕にも?」
「一応好みの姿で顕在化してくれるぞ?」
「え?それマジ?じゃあ何?あの和佳って女の人、おやじの好みなん?」
「母さんには内緒だぞ?」
「それは約束できかねないよ?」
「じゃあさっきの話はなかった事に・・・・」
そういうと、遼太郎は明らかに態度が変わり・・・・
「お父さん、ちょっとゆっくり話をしようよ、久しぶりに男同士でさ?」
・・・・明らかに接し方変わりすぎ・・・・わかりすぎだぞ、遼太郎?
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