第590話 和佳の機転?

【これは・・・・マスターの精神、もうボロボロですわね。ファート様とサージュ様の提案を拒絶されたのは残念ですが・・・・どうしますか。そうですね・・・・居場所があれば・・・・】

和佳は考える。

マスターは自分の居場所が無いと思っているようだ。

元居た世界では死んだ事になっており、中々家族と外へ出歩く事ができないらしい。


そして領地では領地で、各々の妻は、それぞれの場所で活動しており、マスターと常に過ごす事が無いようです。


これは・・・・問題ですね。

そう、これではまるで、単身赴任している人の感覚ですね。


ここは考え所・・・・

マスターに対し、どう接すべきか。

母のように接するのか、恋人のように接するのか、それとも部下として接するのか・・・・

ここで思うのは、マスターはこの世界で甘えられる人物がいなかったのではないだろうか?

そうなると、マスターが思いっきり甘えられる存在にならねばならない。

どうやって?

さすがにそこまでは分からなかったのだが・・・・

ここまで考えていると、マスターが声をかけてきた。

「和佳・・・・帰りたい・・・・」

「お帰りになられますか?では、マスター、手をお取りくださいね。」

「へ?帰るのに何で手を?」

「ふふ。気にしてはいけませんわ。さ・・・・それでよろしいですわ。では参りましょうか?」

「どうやって帰るんだ?」

「ええと、ゲートでもよろしいのですが、クルーザーで参りましょう!私、マスターとゆっくり過ごしたいのですわ。」

「そ、そう?まあいいけど。」

・・・・おっさん和佳が何か考えてるのかと思ったが、単にクルーザーで移動するだけ?

まあいいけどね・・・・

・・・・

・・・

・・


「マスター、着きましたよ?」


あ?ありゃ?寝てた?

「おはよう和佳。ここは何処?」

「まあマスターったら寝ぼけてます?領地に着きましたわよ?」

「およ?もう着いちゃったの?」

「ええ。クルーザーと言うのは便利ですわね。」

「一度に沢山人を乗せて移動できるからね。将来は鉄道でも引いて、電車を走らせたいね。」

「電車ですか?それは中々に大変な・・・・まあその前に、剣ですわ、マスター。精霊たちが待ちわびてますの。」


あ、そうだった・・・・って炉はできてるのかな?

「炉ができないとね・・・・」

おっさんそう思ったけど・・・・


あ、ドワーフがやって来たぞ?


「おい!炉ができてるから、とっとと確認しろ!」

「おお!流石仕事速いねえ・・・・まあぽちっと・・・・これでも飲んで待っててよ。」

おっさん缶ビールを出して渡したよ。

「何じゃこりゃ・・・・ここを持ち上げるのか?」


驚いてるな?

「お!このエールうめえな!こんなんじゃ酔わねえが、それでもな・・・・」


ようございましたね。まあ、もっといい酒は炉を見てからだね。

おっさん和佳を伴って、炉を見に行ったよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る