第467話 貧困・・・・負の連鎖

「あいつら戦争でここに避難してきた連中だろ?その前からも生活が厳しかったんだよ!ろくに食べてなかったから、成長しきってないんだよ!」


何だ?開き直ったのか?


「なんだそれ?だって・・・・どう転んでも15歳には見えん。というか・・・そんな状況の子供が多いのか?」


「・・・・シラカワは知らないのか?」


「逆に聞くけど、おっさんがどうやって知ればいいんだ?おっさんは元々この世界の住民じゃないんだ。実際このセアリアス帝国以外ほとんど知らないんだぞ?インダルチャンス王国にはまともに住んだ事ないし、他の国も妻の祖国という認識以外ほとんどないしな。何せおっさんにとってここは異世界だ。」


「・・・・とにかくあいつらは今を生きるのに一生懸命なんだ!少しでも金を稼ぐのに、自ら潜れるぎりぎりを行かねえと真面に金も稼げれねえ!しかもやっとこさダンジョンから出ても、ごろつきどもが収穫物を巻き上げる始末だ。これがスラムの負の連鎖さ!」


・・・おっさんの領地にもスラムがあるのか?聞いた事ないけど。


そう思ったらウェンディが

「あのね、元々孤児とか、スラムの住民もこの領地に流れてきてるのよ。シラカワ商会に就職できなかったこういった人は、今までの生き方しかできないのよ。それをクィンシーが、少しでも助けたいと・・・・あ!」


何だウェンディも知ってたのか。

「はあ・・・・おっさんだけが知らなかったってわけか?おっさんこう見えて元は貧乏暮らしなんだ。長屋に住んで、・・・・」


あ・・・貧困の問題か・・・・難しいなあ。おっさんこう見えても子供時代は貧乏だったからね。

子供時代は平屋の長屋暮らし。風呂もないから銭湯に行く日々だったっけな・・・・

トイレはボットン便所。落ちたら・・・数メートル下だよ。しかもトイレの穴は隣の家と繋がってるし・・・・今思うと衛生的に物凄く悪いよね?

汲み取りだから・・・・最後の方は、もう手で触れるぐらいまでもりもりになってるのよ・・・大きいのが。あ・・・・すまんねえ・・・・



当時は車も家になかったし、もっぱら自転車・・・・

結局高校卒業するまで貧乏生活から抜け出せなかったっけな・・・・



そして・・・・結局何とか一部上場企業へ就職できたから、負の連鎖を断ち切る事ができたけどね。

あの負の連鎖は、一度はまるとなかなか抜け出せないのよ。

周りから手を差し伸べてくれるのを期待するわけにもいかないしね・・・・


そう言うのは、自身の努力じゃないから、色々難しいのよ。結局手を差し伸べてくれた人の意にそわない結果になりかねないからね。

高校の時は、夏休みは少しでも親の助けになればと思い、バイト3つ掛け持ちとかしてたな。

高校3年間は小遣い貰わなかったし、高校の授業料もバイト代から出してたし。

自動車学校の金も自前だったな・・・・


はあ・・・・こんなダンジョンで、貧困問題に直面するとは思ってもみなかったな・・・・

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