第439話 Gの活躍

Side 愚か者


シラカワ領内


「うはは!今日もゲットだぜ!中々あるな?」


先程の愚か者のグループは今、シラカワ領内のとある一角にたむろしていた。


このグループは、ダンジョンで果物を採取している子供から収穫物を奪って、ギルドに売却しているのである。


ギルド職員も、薄々気が付いているのだが、証拠が無く取り締まれていない。


最近領地を実質管理しているジスランに、やっとダンジョンの報告が届いたところであって、領主は未だこの事実を知らない・・・はず。


で・・・この愚か者共は最近調子にのっており、今日は何とカバンごとゲット!早速換金を・・・・


そう思い、ギルドにやって来た訳だが・・・・


「おいねーちゃん!そろそろ俺と付き合えよ?」


「・・・買取でしょうか?」


「つれねえな・・・・まあいい。今日はこんなにあるんだぜ!」


そう言ってどんどん果物を机に置いて行く。


そして・・・件のカバンだ。


そのかばんを愚か者共が開けようとしたが、受付嬢は素早く止める。


「あ!ちょっと待って??そのかばん・・・・どうしたのですか?」


「あ?何言ってんだ?」


「そのかばんは・・・・最近此処によく果物を持ってきてくれる、子供のですよね?」


「あ?何言ってやがんだ?俺様のだぞ!」


「そうですか・・・ですが、そのかばんは・・・・ギルドで貸し出しているのですよ?カバンの底にナンバーが記載してあるのはご存じですか?」


受付嬢は愚か者共に説明していく。


「あ?何だと・・・そんなのカバンにあるのか?」


愚か者共がカバンを調べている間に、受付嬢は同僚にギルド長を呼ぶように頼んだ。


あーだこーだと数人で調べるが・・・・


そんなものは見当たらず・・・・


「ははは!ないぞ?」


「・・・・それはそうでしょう・・・・カバンの中に記載してあるのですから。」


この頃には、周囲に不穏な空気が流れていく。


そして、いつの間にか一人のおじさんがやってきていた。


「周りの人を避難させておいて。それと・・・・ギルド長にはお仕置きタイムと伝えておいて?」


「は・・・はい!」


受付嬢は奥へ・・・全員引き上げる。


で・・・異常に気が付いた愚か者どもは・・・


「あ・・・兄貴!何だか様子が変ですぜ?」


「あ?・・・つうかなんだおっさん?」


「やあ・・・・そのかばん、どうするつもりでしょうか?」


「おっさんの知ったこっちゃねえぜ!」


そう言ってそのおっさんは蹴り飛ばされました。


「ぐはっ!」


・・・・飛ばされたのはシラカワ 公爵・・本人。


「おっさんの分際で俺らに口を利くんじゃねえ!」


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