第434話 何で婚約じゃなく、結婚なんだ?

おっさんそう思っている時期がありました・・・・


リューク君は兎に角、エリザヴェータ女史の方は、もう常にリューク君にべったりなんだよ、これが。


25年の時の流れは残酷なもので、もはや彼女にとって、記憶に残っている人間はリューク君だけなのだろう。


他の人は全員、それなりに歳を取ってしまっており、見た目が・・・流石に25年経てば別人だな・・・・なので、どうしても身内や知り合いが正しく認識できないらしい。


そして・・・リューク君だけが唯一、外観が殆ど変わっていなかったという訳だ。


「年下のリュークもよかったけれど、年上のリュークも素敵だよ!」

かあ!やってらんねえ!

「リュークにとられた!!!!!!」


あ、皇帝がまたもや走り去る。あんたよっぽど妹が気に入ってたんだな・・・・


何せ自身の娘の名前、めっちゃ似てるだろ?


そして・・・・ダンジョンに向かう前に、リューク君は知らなかったようだが、エリザヴェータ女史にとってはもう、リューク君とは婚約同然だったらしい。


この辺りはおっさんも経験があるが、庶民と王族の考えなんて月とスッポンほどの違いがあるからな。


だが・・・まあ、あんな美少女嫁に貰えるんだ、何を悩む事がある?え?皇帝の妹ってのが・・・・?

そんなの気にしたら負けだ!


で・・・リューク君は迷わず結婚しちゃったよ。


新婚旅行へ行くと言うから・・・・クルーザ貸したよ。

リューク君は扱い方を知っていて・・・・というか教えたんだが・・・・


まあ、ゲートも持っていってもらうし、彼は空間魔法の持ち主で、自前の収納があるから、どうとでもなるだろ?


そんな訳で2人は旅立っていった・・・・


・・・・

・・・

・・


「なあ、何でここにこのメンバーが揃ってるんだよ!」


「気にするな・・・・何か落ち着くんだ!お前と俺様の仲じゃねえか!」


・・・・今おっさんは、館の温泉満喫中。

ただし・・・・おっさん4人で・・だが。


ロニーさんとロートレック公爵もだが・・・・


「そう言えば公爵・・位おめでとうございます、シラカワ公爵・・!」


ロニーさんがそう言ってくれるけど・・・・


うん??

今何か言った?

「遂に私と同じ立場・・・・いいですなあ・・・・」


ロートレック公爵、今何と?


あれ?これはどういう事だ?


何も聞いちゃあいないぞ?


それを聞こうとしたら・・・


「おいシラカワ、領地にダンジョンが見つかったんだって?」


・・・そう言えばすっかり忘れてた・・・オリアーナが言ってたっけ?


で・・・エリザヴェータ女史が気が付いたから、その後すっかり忘れてたな・・・・


「どうやらどこかにあるみたいで、既に領内の子供が、探検してるらしいぞ。」


皇帝に返答する。


「うん?ガキが探検って大丈夫なのかよ?」


「そう言うが・・・・3層までは魔物が出ないらしい・・・・」


するとロニーさんが割って入る。


「ああ・・・そのパターンですな・・・・5層でボス、の奴ですかな?」


「お、ロニーさん知ってるのかい?」


「よくあるパターンのひとつですな・・・・流石にドロップ品、収穫品はバラバラなようですが・・・・」


ロニーさんはよく知ってるなあ・・・


すると・・・・


「我が領地のダンジョンもそのような感じだったと聞いておるな。何かパターンでもあるのかな?」


ロートレック公爵の所もか・・・・

ちょっと調べるか・・・・?

で、可能ならドロップ品やら、収穫?した品を売り物にすれば、領地も潤うし、領民もいい暮らしができるな・・・・


「よし!久しぶりだな新規のダンジョンは!」


「おい、あんたは行かせねえよ?」


「なに!シラカワの分際で皇帝に指図すんな!」


「ならもうエルヴィーラと子供領地に戻します・・・・」


「ちょ!マジやめて心のオアシスが・・・・」


・・・・結局よく分からんが、一度ダンジョンを調べる必要があるな・・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る