日本に戻ってはみたものの・・・・

第373話 戻ってはみたものの・・・・

ひとしきり抱き合い、おっさんが戻ったのを皆で喜んだ後、妻が何か言いたそうにしててね。

おっさんが妻に

「友里奈どうした?何か言いたそうにしてるけど?」、

妻が言うには

「うん・・・・他に戻った人たちなんだけど・・・・」

どうしたんだろう?何か問題が?

「あ、何か問題があった?」

そうすると妻が

「いえ・・・こーちゃんが戻るのが遅くなったから、一度・・・・迎えに来てた家族と一緒に帰っちゃったんだけど・・・・問題あったかしら?」

あーそうだよねー時間かかってたからなあ。

「あーありがとう。折角戻ったんだから家族で過ごしたいだろうし。まあ、色々問題があればこっちに連絡来るだろうしね。」

流石は我妻。気配りが行き届いてる。

「あ、一応、戻ってきた人たちは全員救急搬送で病院に行ってもらったんだけど、全員異常なしという事で、その後は家族と一緒に帰ったんだけれど・・・・杉浦さん?彼女だけ、子供の事が問題で・・・・」


ごめん、今微妙な表情だよね・・・・


「うん・・・・ごめん・・・・戸籍とか無いしね。」


そして妻は

「それに関しては・・・・何度もメールで決めたからもう何も言わないけれど・・・・もう一つ問題があるの・・・・」


うん、気が付いてた。外が騒がしいんだよね。

「色々人が来てるの?」

やはり妻は言いにくそうにしてる。

「こーちゃんのお父さんとお母さんと、お兄さん家族と弟さんは今仏間に来てるもだけど、その、マスコミが・・・」


・・・・マスコミ・・・・おっさんの行方不明、そして帰還、そりゃあ話題性もあるよね・・・

その前に親兄弟にも会っとくか。

「あー今母さん達には会えるの?」

そう聞くと妻は

「大丈夫。身内以外は今はいないから。」


そう聞いておっさん、下に降りていてったよ。


あ、おっさんの自宅は2世帯住宅で、玄関風呂共用で、そうそう、妻の親と同居してるんだけど、下が親世帯、上が子世帯・・・・つまり自分達・・・・が住んでるんだよね。


母さんや兄たちと一通り再会を喜んだ後、マスコミ対策をどうするか・・・という事になってね。

そこで兄が・・・・兄は白河 小太郎 (しらかわ こたろう)と言うんだけど、

「マスコミの対応はひどかった。あいつらにまともに対応する必要はない。」


と言ってきた。

思いやりのない対応、アポなし突撃、周りに迷惑かけても詰め掛けてくる強引さ等々・・・・


何と兄の職場にも押しかけてきたとか。

で、懇意にしている市議会の議員さんとかにも相談したりしてるけど、改善の兆しはなく、その議員さんが県議会に、そして県議が参議員の議員に相談してくれたみたいだけど、歯止めが利かないらしく。


これは塩対応をしないといけないな・・・・


で、テレビをつけてみると・・・・生放送なのに、おっさんの家の玄関映ってるんだよ、どうなってんのこれ?他に報道する事ないんか!

仕方ない・・・・したくはないんだけど、ちょっと強引な方法で対応しないといけないかな。


あ、その前に、出来るなら向こうとこちらを確実に繋げときたいと考えて、おっさんゲートに。

で、ゲートを今の状態でつなぎとめるためにスキルを使って・・・・・おお!スキル使える!何かふと気が付くとあの珠収納カバンから取り出しちゃって、しかもどういう訳かこれが使えると・・・ビビッときてね。


そう言えばなんかこっちに戻ったら、この珠を何とかって言われた気がするけど、何だったっけ・・・・まあその内思い出すだろうと考えて、珠をゲートにかざし、ゲートの端末を色々いじくったら何となく繋がりが固定された気がしてね。まあこっちのはこれでいいかな。後はマスコミ対策か・・・・あんまりしたくないけど。


おっさん取り敢えず汚れても問題なさそうな風呂場に行って、ちょっと腕をナイフでザクッと切ってね。

流石に痛い・・・・血もぼたぼた流れ出る・・・

ここで

向こうから持ってきたおっさん作成のエリクサーを使うと・・・みるみる傷がふさがってね。

あーよかった。これで安心。

このあとおっさん、周りに迷惑かけるけど、一芝居を討つ事にしたよ。

・・・・とその前にしないといけない事が。


おっさん妻にビデオカメラを用意してもらって、蘇生?してからこっちに戻ってからの事をビデオカメラに喋って、撮ってもらってね。

マスコミの対応次第では使う事になりそうだし、用意はしとかないとね。


さて、やりますか・・・・・・

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