第355話 フェンリルは十六夜が受け持つことに

??何でガルムに聞くんだ?


「今の十六夜様であれば私とフェンリル、同時に使役するのは可能でしょう。それに・・・」


それにって?


「やはりそうですか。ありがとうガルム。そして、フェンリルよろしくお願いしますね。」

「で、いつ我をそなたが使役するのだ?」

「そうですね・・・・色々と準備も必要ですし、旦那さまが元居た世界へ帰る直前にいたしましょう。その時には私達もシラカワ領の館にいるようにいたしましょう。それでよろしいでしょうか?旦那さま。」

「よく分からないけど、それでいいならいいよ?」

「ありがとうございます、旦那さま。それで・・・・まさかとは思われますが・・・・このまま帰られませんよね?」

十六夜の雰囲気が突然変わったよ。

穏やかそうな雰囲気だったのに・・・そう、今の十六夜は獲物を狙う肉食獣のような雰囲気。

そして・・・・気が付けば両腕をいつの間にか月女と紅渚にがっしりと掴まれ、

「さあ旦那様こちらへ。」

「今日は館へは帰さないわよ!」

とよくわからない事を言われ、おっさんの意思とは無関係にそのまま引きずられ、連れて行かれちゃったよ。


・・・・

・・・

・・


朝になり、ようやく解放されたおっさん、3人が力尽きてる隙に館へ帰ったよ。

そして帰宅した途端ジスラン君にたっぷり絞られたよ・・・・


「侯爵さま、出掛けるなら出掛けるで連絡ぐらいはしてほしいです。」

「ごめん・・・・」


流石ジスラン君、容赦がない。


そしておっさん、日本への帰還を控え、可能な限り準備を頑張ったよ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そしていよいよ日本へ帰還する日が来ちゃったよ。

わ、忘れ物はないかな?

大丈夫だよね。

ハンカチは?あ、ある、ティッシュは?え?いらないよ?


・・・・

・・・

・・


朝になっておっさん食堂に向かったんだけど、既に全員集まっていて・・・・あ、エルフの、妊娠している女性陣はここにはいないんだけどね・・・

今日はカトリーンと夜叉の3人も来てるんだよ。

そしておっさんが現れたとほぼ同時にカトリーンが

「主よ、いよいよじゃな。この場の空気も全く様子が変わっておるしのう。」

そう、何かいつもと違い、こうピリピリしているというか、空気が・・・・

ああ、いよいよって感じでね。

でも・・・・おっさんが召喚された時は、全く気が付かなかったんだけどね?

こんな空気が変わったみたいなのはなかったんだけどね・・・・

何かこう、濃厚な魔力が満ちているというかなんというか。

いよいよなんだなあ、と。

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