第348話 船を渡す

そう、おっさん皇帝にドローンをあげたんだよ。そしたらえらく喜んでね。

あ、因みに今は久しぶりにシラカワ領の館の温泉で、野郎どもと風呂を満喫中。

何処で話を聞きつけたのか、ロニーさんとロートレック公爵もいるんだよ。


「流石はシラカワ殿ですな。しかし・・・シラカワ殿が居なくなると娘達も寂しがるでしょうなあ。」

「まあそこは最初からわかってる事だし、諦めてもらうしか。」

かくいうロートレック領にもクルーザーを1隻渡す事になっていて。


「しかし、私も貰っていいのでしょうか?」

「ああロニーさん、心配なく。オリアーナがいなければシラカワ商会がここまで大きくならなかったし、そのお礼を兼ねてるから。」


流石商人の鏡、ロニーさん。今後もクルーザーを有効に利用してくれるだろう。

ただ、クルーザーはそんなに燃費がよくないんだよね。

それなりに魔力がないと扱えないから。

まあだけど、おっさんと深い関わりのあった、カトリーンの居るドラゴンの里に1隻・・・・ドラゴンは飛べるし、必要ないかとも思ったんだけど。

後は夜叉の国へ。

十六夜に話を聞くと、出産が終わり、ある程度時間が経ったのか口調も元に戻り

「旦那さま、このような船を本当に貰ってもよいものなのか?」

「ああ、今の十六夜達みたいにゲートでの移動が難しいと、空を行ける船の方が都合がいいだろう?」

「それはそうなのだが・・・・感謝する。そして大事に使わせてもらおう。」

やっぱり十六夜は今の口調の方が似合ってるな。

出産時は別人みたいな口調だったしな。



そしてエルフの里に。

流石にファートとサージュはまだまだ出産に時間があるようで、

「ダーリン、本当にいいの?ちょっと嬉しいかも?」

「この船は快適。感謝。」

とそれぞれ喜んでくれてるみたい。

あ、そうそう、以前あの怪しげな薬のせいで酒池肉林しちゃったエルフたちは結局皆妊娠したみたいで。

残念だけどエルフとおっさんの子供は、おっさん見る事が無いんだよ・・・・ないよね?

エルフの長も感謝してくれて。

「賢者殿、このような船を・・・・我らは薬に関しては誰にも負けぬと自負しておるが、このような道具に関しては他に後れを取っておって、ここではこのような物を作る事がかなわぬのじゃ。なので代わりにイロイロ役にたつ薬を差し上げようぞ。」

微妙にイロイロというのが気になったけどありがたく頂いたよ。


「まあ気にしないでほしいかな。それより赤ちゃんの出産に立ち会えることができないのが申し訳なくて。」

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