第319話 久しぶりのカトリーン

「それはないですよ、伯爵さま。それより、ゲートを辿って来て下さったんですよね。それでは、キトリーたちは無事伯爵さまの所へ辿り着けたのでしょうか?」

・・・・えーあの3人、こいつらの連れかよ!半殺しにしちゃったよ?

「あーうん・・・・君たちがどう思ってるかは知らないけど、生きてるよ、3人とも。」

「それはよかった。それよりこの状況どうしましょう?」

「その前に君達を回復しよう。」

おっさんそう言って2人に回復魔術を唱えたよ。

パチッと目を開けるライナス君。

「あ、あれ?伯爵さま?どうしてここに?」

「何寝ぼけた事言ってるんだよ。お前達、渡したゲートを使ったんだろう?それを辿ってきたんだよ!」

そう話してる間にもドラゴンの包囲網が狭まり、さてどうしようとなった段階で、空から別のドラゴンが・・・・ひときわデカいのが現れてね。

ボスが来たのか?

「何で、どういった状況なんだ?」

「私達は別の所にいたのですが、敵にここに転送させられてしまったようです・・・・」

ヨーリス君大丈夫か?仮にも勇者だろう?何しちゃってるんだよ。

「で、手に負えなくなってゲートで逃げようとしたのか?」

「我々は先程まで戦っていた敵を追い詰めたのですが、追い詰められて敵が僕たちをここに送り込んだんですよ。」


「それはまあいい、それよりどうするかだ。君たちはおっさんが渡した剣を持ってるのか?」

「勿論あります、伯爵さま。」

「じゃあ構えろよ!それと、伯爵ではなく侯爵だよ。」

「えっ?そうなのですか?」


そんな事を話していたら、頭上から誰か女の人の声が。


「そなた等止めるのじゃ!そのお方に危害を加えるでない!」

?見えないけど聞いた事のあるような声だなあ?

その声がした後、ドラゴン達が大人しく下がっていくよ。

「それでよいのじゃ!こちらの方が妾の主じゃ!すなわちこの里の主という訳じゃ!」

???おろ?あれカトリーンか?


目の前に飛びきりデカいドラゴンが降り立つと、その背に一人の女性が乗っていてね。

「主よ、久しぶりじゃな!来るなら一言、言ってほしかったのじゃ!」

目の前に、大きなおなかを抱えたカトリーンがいたよ。

「あれ?カトリーン?えっとここ何処?」

「主よ、何を言うとるのかわからぬが、ここは妾の里じゃな。」


そう言ってカトリーンはおっさんに抱きついてきたよ。

「妾に会いに来てくれるとは、嬉しいのじゃあ!」

何か勘違いをしてるっぽいけど、まあいいか?


こうしておっさん?カトリーンの故郷の客人として受け入れられる事になったんだよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る