第280話 え・シラカワエルフ?

「何で知ってるんだ?」

「私は本当に女神なのよ?信じてもらえないかもだし、本当ならここには普通人は入れないし、前も偶然だったけど、今回も偶然なのかしら?あなたは本当にとんでもない人ね。」

「よくわからないけど、あんた自分を女神って思いたいんだな?まあそういう事にしといてやるよ。あんた折角いい顔してるんだから、もっと身だしなみを整えればかなりモテるよ?」

「そこは素直にありがとう。で、貴方いつの間にか賢者になってるのね。凄いわね。ねえ、ここで会うのも何かの縁。貴方が無事に日本に還れたら、私の手助けをしてくれないかしら?私もいつまでも此処に居る訳にはいかないのだけれど、ちょっと自分だけではどうにもならないのよね・・・・」

「部屋綺麗にして、もっと女子力身につけたら考えとくよ。」

「・・・・約束よ?」

「おっさんのできる範囲ならいいけど?」

「じゃあ約束ね。二ホンに戻ったら、その珠に何でもいいから念じてみて。私とお話しできるようになるから。」

「戻れる事前提だけど、戻れるのか?」

「貴方ならできるわ。もう少しだもの。」

「あ?そう言えば過去に戻ったやつがいるらしいと聞いてるんだけど、戻れなかったのか?」

「そうね、戻れたかと言われたら戻れたのだけれど、戻った時の反動がきつすぎて長い事生きられなかったわ。」

「え!やっぱりあの痛みか?」

「そうね、小次郎もゲートで何度か二ホンに渡ってみて思ったでしょ?あの痛みでは無理だと。でも、貴方ならできるわ。あと1年と少し、もう少し色々改良すればね。」

「何処をどう改良するんだよ?」

「ごめんなさい、そういうのは専門外なのよ。」

「はー結局自力で研究か・・・・っておい、何だかぼやけてるぞ?」

「ここまでですね。白河 小次郎、また会いましょう?あ、そうそう、先ほど貴方エルフの娘たちとまぐわったのだろうけど、あの薬はすごいから、おそらく全員妊娠してるわよ?それに貴方の奥さんには竜族と夜叉がいるわよね?彼女たちにも有効だから、頑張ってねー」

「ちょ!何が頑張ってねーだ!」

「・・・・また会いましょう・・・・」


・・・・

・・・

・・


あれ?ここは何処?

確かおっさんどっか出掛けたはずなんだけど?

おっさん妻達と一緒に寝てたよ?あれ?夢だった?


そう思って外に出たら・・・長が待っていてね。

「先ほどは凄かったぞ、賢者殿!この歳でよもや妊娠するとは思うておらなんだが、流石は賢者殿。娘たちも喜んでおる。そしてこれをまた使うがよい。竜族と夜叉の娘にも効くであろう。」

おっさん何の事とか思うと、長が何か饅頭みたいなのをいくつか渡してきたよ。

「必ず双方食すのじゃぞ。さすれば間違いなく妊娠するであろう。」

・・・?そういえば長、妊娠って言ってなかった?

あれ?おっさんいつの間にかヤってた?思い出せん・・・・・。


エルフの里は謎が多い・・・・


「ようやく妊娠した。ありがとう。」

うん?ファート何言ってるの?

「あーダーリン!さっきはすごかったわね!私もようやく授かったわ!きっとこの子は偉大なエルフになるわ!」

・・・・サージュまで何言ってるの?


・・・・・・・・・・

それから数千年、滅亡の危機に瀕していたエルフは、新たにシラカワエルフと言われ繁栄を極める事になるのだが、それはおっさんの死後の事なのであしからず。

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