第276話 長の娘
「この場は若いおふたりに・・・」
「ちょっと何言ってんの?」
「ほんの戯れ。賢者殿、娘をよろしく頼む。里以外は何も知らぬのでな。少し外の事を教えてあげてはくれぬかのう?」
「は?どうせ娘さんも2000歳とかいうんだろう?まさかそれだけ長生きして一度も外に出た事が無いとか言わないよね?」
「申し訳ございません、賢者様。私一度も里から出た事が無いのでございます。出ようと思ったことも無いのですけれど。ただ、外に興味がないわけではございませんので、よければお教え願えないでしょうか?」
・・・・外に出た事ないってどんだけ箱入り娘なんだよ?
「えー娘さん?どう呼べば?」
「フロレンティーナと呼び捨てでも、おいでもあんたでもお好きに呼んでくださいまし。」
「・・・・フロレンティーナと呼ぶよ。」
「あ、賢者様?お薬どうぞ。」
「どうぞと言われても、今飲むの?」
「飲まれないのですか?今からお情けをお与え下さると聞いておりましたのですが。」
・・・・どう突っ込めば?
「会ったばかりの女性を抱くとかちょっと考えられないんだけど?」
「そうなのですか?わたくしも経験がございませんが、人はエルフを抱きたがると認識していましたが、違いましたか?」
「何その認識?まあ殆どの男はあんたを見たら抱きたいと思うだろうけど。」
「賢者様はそういう気持ちにはなられませんでしたか?」
「・・・・」
「・・・・」
・・・・どういえばいいんだよ?
「答えにくいですね、申し訳ございません。それよりも、薬を今飲まれないようでしたら、一度姉にも会っていただきたいのですが?」
「賢者殿、フロレンティーナは抱くことはできぬか?」
「そういう問題じゃないんだけど・・・・」
「ではせめてお情け抜きで会ってヤッてはくれぬか?」
「何か微妙な言葉使い・・・」
結局長の長女にも会う事になったんだよね。
・・・・
・・・
・・
・
何故か長とその娘の案内で別の場所に。
いやいや抱かないよ?お情けとか言われてもね・・・・
そしてどうやら長のもう一人の娘が今現在居る所へ案内されてね。
「わしじゃ。開けよ。」
そう長が言うとすぐに入り口が現れてね。
長が入っていくのでおっさんも後についていったよ。
部屋に案内されてはいった時に感じたのが・・・・何か臭う・・・・
臭いというか、変なにおいが充満してる感じ。
薬でも作ってるの?
「モルガーナはおるか?」
どうやらもう一人の娘はモルガーナというらしい・・・・
そして長が問うても反応がない。
そしてこの部屋?むしろ工房?は辺り一面薬草なんだろうか?が散乱しててね。
そしてよく見ると・・・・何かが動いたよ。
何だろうと思ってあたりを見ると、何やら動いたよ。
更に目を凝らすと・・・人がいた!
そして長の言葉に反応してないから長が近付いてってね。
「モルガーナ、作業を中断するがよい。賢者殿を連れてきた。」
そう長が言うとモルガーナという女性はおっさんの方を見たんだけど・・・・何か作ってたみたいで、すぐに作業に没頭しはじめたよ。
何だろうね・・・・
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