第269話 エルフの里の入り口

サージュが先にゲートでエルフの里に行ってくれて、ファートが飛行船で案内してくれる事になったんだよね。

「じゃあダーリン、待ってるね♪」

といって消えて行ったよ。

「あっちに飛んで。」


・・・・今回はね、飛行船を操縦できる人間を用意してるんだよね。

相変わらずシラカワ領へは一旗揚げようと若者が集まってきていて、その中でこういった魔道具?を扱える人材も何人かいてね、そういった人材には積極的に操作してもらってるんだよね。

どこぞの子爵家の御曹司らしいんだけど、本人爵位を引き継ぐ気がないらしく、弟に押し付けてシラカワ領へ来たらしくってね。

まあ実家の意向もあるんだろうけど、おっさんはそんなのを抜きにして雇ってるんだよ。

使える人材じゃないとね。

何度か練習させてたので、スムーズに飛んでくれて、今は快適に空のクルージングを満喫中なんだよね。

まあ、子供が走りまわって落ちないかだけは心配なんだけど。


うーん、ゲートがあるけど、やっぱりこういった乗り物を使用した旅ってのも素晴らしい!

途中休憩なしなのが味気ないけど。


「はいだんな様どうぞ!」

お、香苗ちゃんがサンドウィッチを用意してくれて、コーヒーと一緒に差し出してくれたよ。

香苗ちゃんの料理はスキルの所為か凄くおいしいんだよね。

それに、同じデ●ンギで淹れるだけなのに、コーヒー豆も同じなのに、何故かおっさんが淹れるより香苗ちゃんが淹れる方がおいしいんだよ。おかしいよね?

まあおいしいからありがたくいただきます。

「めっちゃ美味い!さすがは香苗ちゃん!」

「褒めても何も出ないよ?」

そう言いつつ、にこやかに笑みをたたえる香苗ちゃん。

しあわせやなあ・・・・

で、コーヒータイムを満喫中、呑兵衛共は・・・・すでに出来上がってたよ・・・・

「うわ!カトリーン、臭い!近付くんじゃない!」

「何を言うか主よ!おなごに臭いとは何事じゃ!」

「酒飲みは口臭がすごいんだよ!」

「そんなに飲んではおらぬのじゃ!」

いや、飲んでるよ、かなり。


・・・・

・・・

・・


のんびり空の旅を満喫していたら、ファートが「もうすぐ着く。結界に入るからじっとして。」

「お、もう着くのか!じゃあ皆大人しく席について!」

赤ちゃん、子供はそれぞれ母親か乳母に抱かれて、全員椅子に座ったよ。


そして暫らくすると何やら違和感があってね。

ただそこに結界があると言われなければ全く気が付かない感じでだけど。


そして今飛行船の下はずっと同じような森が広がっていて、パッと見人が住んでいるような気配が全く見当たらないんだよね。

そしてまたもやファートが指示を出してきてね。

「もう少ししたら、開けた場所に出るからそこに降ろして。」

操縦席に向かって指示を出してくれてる。

うーん本当にこんな所にエルフの里があるのか?


そうこうしていると、開けた場所が現れ、飛行船はそこに何事もなく着陸したよ。

で、見るとサージュがそこに立ってたよ。

「ようこそ!エルフの里へ!」

え・・・・何もないよ?

「なあサージュ、どこに里があるんだよ?」

「普通の人からは見えないようにできてるから!わからないかな?ちょっと待ってね!」

ファートもサージュの所に行き、何やら2人で始めたよ。


そうして暫くしたら・・・・お、何だか突然道が現れたよ。

どうなってるの?

「エルフの結界で出口を見えなくしてた。」

おお!よく聞く仕掛けじゃないの!

「そんなに長くは結界消せないから、早く移動してね!」


一行は素早く道に向かったよ。


そして、道に入って少し歩くと、そこには・・・・森の中なんだけど、そこには建物があったよ・・・・

上から見ても分からなかったよ!

「エルフの里ってすごいな!まるで分らなかったよ!」

「よそ者には常に警戒してるから。」

「でもダーリンたちが来ることはもう知らせてるから問題はないわよ?」

「そうなのか?まあその為にサージュには先に行ってもらったんだけどさ。」

そして2人の案内で進むと、ひときわ大きな建物・・・・と言うか個々の建物はすべて”木”なんだよね・・・・に案内してくれて。

「ここに入って。」

「この中に滞在してもらうから、寛いでね!」


おっさん達は木の中に入ったよ。


木の中はかなり広く、40人からの大所帯だったけど、まだまだ入っても余裕があってね。

おっさん達は寛いでねと言われ、本当に寛いだよ。

なんだか不思議な空気を感じるよ。

癒しみたいな?


2人がいなくなったのに気が付かないほど全員寛いじゃったよ。

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