第258話 皇帝を救出する

「シラカワ・・・・すまん・・・・」

「何があった?」

「・・・・ゲートだ・・・・ゲート部屋にゲートで侵入されてな・・・・」

「軍が行方不明になった時点で何故ゲートの使用を停止させなかったんだ?」

「どうやら知らぬ間にゲートが一つ入れ替わっていてな。軍に持たせた奴を止めたはずなんだが、別のゲートから侵入してきてな。どうも誰かが事前に入れ替えて、それをシュラハト連邦に渡した奴がいるのさ。軍にはそんな奴はいないと思ってたんだがな・・・・」

「なあ、薄々感じてんじゃないか?将軍が怪しいって・・・・」

「・・・・」


・・・・これ以上皇帝とこの事について喋るのは止めよう。

「それは後回しで、今城はどうなってるんだよ。」

「俺がこのありさまなんだ。察しろよ。」

察しろって言われてもな・・・・

「・・・なあ、皇帝さんよ、どうするんだ?」

「シラカワ、お前戦えるのか?」

「状況次第だな・・・・はっきり言うけどこの城を取り返すとか、そこまでの義理はないぞ!それにこんな少数で何とかなるか怪しい。やってもいいけどやばくなったら逃げるぜ!」

「そうか・・・・頼む・・・・ちょっと疲れた・・・・」


いかん、皇帝が気絶した・・・・出血酷かったしな・・・・怪我が治っても、おっさんの魔術では失った血液までは回復しないからな・・・・

さあ、どうするか・・・・全く分からん・・・・


「とにかく一度皇帝を安全な所に連れてこう。ひとまずアフェールに連れて行く。」

「シラカワ領ではないのじゃな?」

「ああ、いかんせんあの将軍が胡散臭すぎる。エルヴィーラとクィンシーには色々指示出してるから大丈夫なはずだが、他に怪しい兵士とかいるか分からないからな。」

「ゲートを使うのか?」

「ナターリヤ、その通りだよ。すぐ戻るから待っていてくれ。カトリーン、おっさんがゲート使ったら、皇帝をゲートで送ってくれ。」

「わかったのじゃ。」


「ウェンディ、ナターリヤ、守りを頼む。ファートとサージュ、何か魔術の気配があれば対応頼む。」


おっさんそう言って返事を待たずにアフェールの店に通じるゲートを取り出し、早速使用したよ。

ゲートを出た時に紅渚が居合わせたので、伝言を頼み、皇帝を迎え入れる用意を整えてね。

そうしたら気絶している皇帝がゲートから現れて、ゲートから引き揚げたよ。

紅渚が月女を引き連れ現れたので、皇帝を二人に任せ、おっさんまた城に戻ったよ。


「状況は?」

「今は大丈夫。シラカワさん、どうするの?私とナターリヤがいれば余程の事が無い限り大丈夫とは思うけど?」

「妾もおるでの。」

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