第189話 金鉱に大量の金が埋蔵されているらしい

兎に角、サンプルだけでも確保しとこうと思ったおっさん、異世界通販でコンクリートとかを砕く電動ハンマーを購入し、近くの岩を砕いてね。

そしてさらに下の部分を砕いたんだよ。

そうしたらね、表面の岩とは明らかに違う・・・・岩の断面に細かい金色の砂のような粒?が出てきてね。

どうもおっさんは金の塊が出るのかと思ってたんだけど、こういった岩に砂金が混じってる感じで、これを精錬するらしいんだよね。

昔は水銀で金を溶かして、水銀を蒸発させてたらしいけど、環境に悪いよね。

この異世界ではどうやってるんだろう?

水に沈めて比重とかで選別?

おっさんはよくわからなかったよ。この辺りをジスラン君に聞いてみると

「少なくともこの国では、精錬は国家の事業として行っています。その方法は秘匿されていて、私達にはわからないのです。ただ、金鉱脈があるかどうかは熟練の鉱夫や堀士が探し当てる事ができるようで、こちらは国の事業以外に一山当てようとする山師を含め、たくさん存在しているようです。」

「じゃあ、あの農夫は何年も金鉱にいたから区別がついた?」

「そのようですね。我々のような素人では、この岩に金があるなど想像できませんからね。」

そうなんだよね。

光に当てると何となくキラキラしてるような感じだけど、どう見てもただの岩。よくこれに金が含まれてるってわかったよなあ。


農夫に金が含まれていそうな岩を選別してもらって、おっさん収納カバンに入れて、一度帰る事にしたんだよね。

その前にね、おっさんの土魔術でゲート部屋を設置して、何時でも行き来ができるようにしといてね。


で、館に帰って、帝都の皇帝に報告しようと思ったんだけどね・・・・


「なあ、何でいるんだよ?」

「良いじゃねーか、孫の顔を見に来たって。俺はお前の義理の父親だぞ?」

・・・・いたよ、皇帝が。

というかロートレック公爵とロニーさんも。

ねえ、貴方達、なんでそんなに暇なの?

皇帝や公爵って忙しいんじゃないの?

それにロニーさん、商人なんだからこんな所で油売ってないでよそに行けばいいのに・・・・

「父上、朗報です!金鉱を発見しましたよ。」

「ジスラン、本当か?それは朗報だ!我が領の金はもう掘りつくしておってな、後は危険な地下深くなのだよ。これでしばらくは金の供給に不便しなくて済みそうだ。」

・・・・どうやらロートレック公爵領にも金鉱があって、随分掘ったらしい。

後は危険な地下深くらしく、そこまで掘ると採算が怪しくなるらしい・・・・

「お!本当にあったのか!ラッキーだな、シラカワ!精錬はこっちでやるからどんどん持って来い!」

・・・・国が精錬を独占してするのには訳があるようで、低品質の金が流出して金の価値が下がらないようにする必要があるらしく、これを勝手に精錬してしまうと、ひどい事になるらしい・・・・

あとは、精錬には手間暇がかかってしまい、危険もあるので、おいそれと民間ではやらせられないらしい。


現在では電気で精錬させてるんだろうけど、そんな電気の技術があるとは思えないしね、この異世界では。

まあ、採掘してあとはお任せでいいんじゃないかな?

「あ、そうそう、この金鉱が本当にたくさんの金があるなら、発見した農夫に叙爵をしたいんだけど、過去はどうしてたの?」

「おお!そこで固まってる農夫が発見したのか!運がいいな!そうだな、滅多にないから、子供に引き継がせられる・・・・男爵あたりが妥当か?その辺りはこっちでしといてやるよ。」

・・・・なんてアバウトな叙爵なんだ・・・・

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