第112話 おっさん一行対フェンリル

何だかほのぼのとした風景だねえ。




おっさん達は今、モンスターの縄張りの手前の空白地帯ともいうべき場所でくつろいでるんだよね。


手前は農場が広がっていて、すぐ近くまで道が来てて、この空白地帯を境に道が迂回してるんだよね。


聞いた話だと、ぐるっと縄張りを避けるように道があって、縄張りの向こうへ行こうと思うと、相当大回りになるみたい。


この縄張りを突っ切れば、わりかし早く荷物が運べるんだけどね。


なかなか理想的にはならないねえ。




おっさん、試しにドローンを購入して、飛ばしてみたんだけど、上空から見渡す限り障害物もほとんどなく、モンスターも見当たらないんだよね。


ここは覚悟を決めて突入するしかないかな?




「なあS級よ、お前ここのフェンリルとかやりあった事とか無いの?」


「いい加減覚えてくれ!俺はクィンシーだ!ケルベロスは知らねえが、フェンリルなら戦った事あるぜ!つーかエルヴィーラもやりあってるぜ!」


「へーじゃあ、どうなったんだ?」


「・・・・んだよ。」


「へ?聞こえないよ?」


「あんまり強すぎて逃げてきたんだよ!」


「おいおいお前S級だろう?無理だったの?」


「ああ、奴は強い。知恵もある。あれを倒すのは一筋縄ではいかないぜ!」


「あーはいはい、だからここ手付かずなんか。で、エルヴィーラの方はどうなってるの?」


「饕餮には話になりませんでしたわ。普段は洞窟に住んでいるのですけれども、あと一歩のところで何やら化けてしまい、行方をくらまし、背後から襲ってくるのですわ。」


「それってつまり知恵があるんじゃないの?」


「そうかもしれませんわね。」


「まあいいや。で、もう一匹ってケルベロスだっけ?何でわかってるの?」


「あの個体についてはその場から動かないのですわ。ですので、こちらにその気がなければ戦いにならないのですわ。」


「じゃあ戦ってない?」


「私は戦った事はないですわ。」


あんまり情報あてにならなかったな。


結局。この3匹と戦った&目撃したメンバーはいなかったんだよね。


ファートとサージュですらこの辺りには来たことがないから知らないらしくてね。


どうしようかね・・・・


カトリーンも知らないみたいだからなあ。ドラゴン対フェンリルとかどうなんだろう?


もう領地どうでもいいから帰ったらダメ?もうあの皇帝め!厄介事押し付けやがって。


どうせこのまま放置してても今まで通りだし、もしおっさんが討伐できれば今後の土地の有効利用&元々無いものと思ってる土地だから、おっさんが領地として使っても問題ない&新たな税収が増えて問題なし。どう転んでも皇帝の思うつぼじゃないかよ。


うーん、討伐成功した暁には落とし前つけてもらおう。




で、おっさん達、兎に角進んでみたんだけどね、どうやらフェンリルの住処らしき所に来たんだけど、何もいないんだよね。


念の為にアルフォンシーナが身体強化と防御の魔術唱えてくれたんだけどね。で、おっさんスキルの身体強化でさらなる強化と気配遮断・隠密・そして気配察知でフェンリル対策をしたんだけどね・・・・



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る