第108話 ゲートの使用

あったんだ。そうだよなあ。でも、おっさんの作ったのは精神力もそんなに使わないしね、実用性ばっちりだろ?


「今回作ったのは、そんなに精神力使わないから、いけると思うよ?ただ、長距離の場合、どうなるかはまだ試してないから、ひょっとしたら移動する距離の分精神力取られるかもしれないけど、と言うかその可能性は大きいかな。まあ、その場合、別の運用方法もあるんだけどね。」


「どんなんだ?」


「まあ、実用的な距離毎にゲートを設置して、利用者は目的地までゲートを何度か使ってもらうんだよ。そうしたら長距離でも行けるはず。精神力の回復がネックだけど、ポーションとか魔法石だっけ?あれで代用できるんじゃないかって思ってるんだけどな。」


「ちゃんと考えてるんだな!じゃあ早速サクッと試してみろよ!」


相変わらずの皇帝だな。


「じゃあ、取り敢えずこれを設置するよ・・・って言っても置くだけだけど。」


おっさん、適当に置いたんだよね。実際簡単に移動できるから、固定方法も考えないといけないんだけどさ。後は耐久力とか。


で、設置したんだけどね、誰が試すんだってなってね。


今回相方はおっさんの家だし、ここはやはり自分で試すしかないよね?


「自分でするよ。」


おっさん、そう言ってさっさと使っちゃったよ。カードを一緒に組み込んである表示プレートにかざしたら、一瞬で家に到着したよ。軽く眩暈がしたけど、思ったほど精神力も消費してないし。これいけてるやん。


ただ、やっぱり?移動距離に応じた精神力が消費されるっぽく、短距離の時には気にならなかった精神力の消費量が、今回はちょっと気になるぐらいに。


まあ、あと10回ぐらい使っても気絶することも無いという感じだったから、隣の国へぐらいは一度で行けそうな感じかな。


後は体調かな。ちょっと眩暈がしたけど、長距離の場合はどうなるのとか、もう少し検討の余地がありそうかな。


さて、このまま帰っても面白くないので、誰か連れて行こう。


そう思ったらファートとサージュが近くにいたから声をかけて、使ってもらう事にしたよ。


「じゃあ先に行くから、お前らも試してくれ。」


「ゲート、懐かしい。」


お、流石はファート、何千年も生きてるエルフ、使った事があるのか?スゲーな。


で、サージュは


「ダーリン、よくこんなの作ったね!お姉さんびっくりよ!以前使ったのはそれはひどい出来だったけれど、これはどうなのかしら?」


やっぱり燃費が悪かったのか、昔のは?




・・・・


・・・


・・





3人は無事に城に到着したよ。


特に眩暈以外におかしな所もなく、ファートは


「昔のと違って、いい。」


とお褒めの言葉を。サージュは


「流石ダーリン!これは使えるわね!どうやって作ったのかしら?」


なんとなく?多分、スキルのせいだよな?




「すげーじゃねーか!じゃあ早速俺様も使ってみるか!」


「いけません!万が一があっては困ります!まずは臣下の誰かが試して、安全が確認できるまでは絶対にいけませぬ!」


そりゃそうだ。家臣に止められて、皇帝も思う所があったのか素直に引き下がったな。


「シラカワ!流石じゃねえか!こりゃあ世の中がひっくり返るぞ!あ、そうそう、忘れる前に言っとこう。お前の領地が決まったぞ!かなりの辺境なんだがな、このゲートがあれば問題なかろう。今日からお前はシラカワ辺境伯だ!」


あれ?なぜにシラカワ辺境伯?辺境伯って地名なんだよね?何でシラカワなの?


シラカワって辺境の土地の領主(伯爵)だからシラカワ辺境伯なんだよね??土地の名前がシラカワ??


あかん、おっさん混乱してきた。




それとともに、皇帝は


「おいシラカワ!いつの間にか美人の妻が増えてるじゃねーか!しかも一人は聖女じゃねーか!どうなってるんだよ!」


ですよね?おっさんもどうなってるんだとか思っちゃうよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る