第74話 十六夜 その3

セアリアス帝国に入国し、どうやら目的の人物は商人として商業都市アフェールにいるらしいと知った。


どうやらかなりの人物らしく、この異世界人がいるという商店に足を運んでみたが、今まで見た事も無いような石鹸、洗髪剤・・・しゃんぷーとりんすと言っていたが、それに洗顔剤?とその後に顔やら肌に塗る薬品?、そして素晴らしい下着と肌着を扱っていた。


思わず買ってしまいましたが、なんという付け心地。胸も尻も私の身体に合っている物を選んでもらい、店員も全員女性なので肌着やらも恥ずかしい思いをせず選べぶ事ができましたし、そして驚く事に買い物後に無料で食事を提供していただき、そのおいしい事と言ったら!

今まで食べた事のない物ばかりでしたが、どれも素晴らしく、こんな素晴らしい店を運営している異世界人とやらは、聞いていた話とは違い、素晴らしい人なのではないかと。


そして、装飾品。銀で出来ているようですがその細工の見事な事と言ったら。


で、あの金剛石の首飾り。金貨5000枚という驚きの値段、あの首飾りの中心にある金剛石の加工ときたら!あの加工を見れば値段は納得ですね。どうやって加工したのかさっぱりわかりませんが、あのような加工は見た事がありません。


あんな金剛石を輝かすことのできる技術、どこでなのかしら?あれも異世界の物なの?





そして、探している人物のうち、おそらく女性2人がおりました。


貴族と話をしているのがどうやらメーネア姫で、料理を作ったのが異世界の女性。


誘拐されたという割には生き生きとした姿のメーネア姫。


そして、信じられないぐらい奇麗な顔立ちをしている異世界の女性。




そして名残惜しいですが帰る事といたしましたが、この店は髪の毛を実際の商品でその場で試しにと言って洗ってくれました。


髪をしゃんぷーで洗った後、りんすをつけて濯げば髪がさらさら。信じられない。髪に油をつけないで済むなんて。しかもほのかに香る香りの良い事。




店を出ると、少し離れた所に40代ぐらいの男とあれは、トレイナー商会の娘かしら?と一緒にいるのを見かけました。あれが異世界の男かしら?


思わず見とれてしまいました。


さほど魅力のある外見とは思えなかったのですけれど、どこにでもいるおじさんにしか見えなかったのですけれど、見ていると不思議な魅力が。駄目だ!!これはきっと魅了よ!


そう思った私は後ろ髪を引かれる思いでこの場を去る事に致しました。




しばらく様子を見ようと思いましたが、気が付けば異世界人は何処かへ出掛け、どうやら帝都へ赴いた様子。


その間に、愚かにも暁団はよりにもよってあの店を焼き討ちしてしまいましたわ。何という事。




その後、異世界の住民が戻ってきて、罠を仕掛け暁団を壊滅させていましたが、その男、恐ろしく強かった。魔術もかなりの使い手。


私は気付かれないよう細心の注意を払い監視をしていたのですけれど、あれは私では勝てない。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る