第68話 ダンジョンの隠し部屋

「これどっから行くの?」


おっさんは悩んだ・・・・


そう、ないのだ。十六夜が言っていたけど。


「そういえば、この真下って言ってたっけな?」


「そう言ってた。」


「ダーリンの土魔術で穴開けちゃう?それとも何か見落としがあるのかしら?」



こういうのって話では、何かアイテムを何処かにかざしたり、隠されたボタンがあったり、隠し部屋があったりするんだけどね・・・・


そう思っていたら、何やら壁が怪しい。怪しいというか、壁際に風を感じる。わずかだけど。


「なあ、ここから風を感じるんだが。」


「しらかわさま流石ですね。ますます惚れてしまいます。」


いや、これが合ってるか分からないのに益々惚れるとかどうなのよ・・・・


もしかしてこの壁動く?でも、動かないよなあ・・・・


ちょっとこの地面と壁の境目に油でもさしてみるか?


油油…っと買ったやつがあるなあ。よし、これを垂らすと・・・・


およ!ビンゴ?油がこっちに殆ど残らないよ?やっぱりこの壁を何とかするんだよなあ。


よし、ちょっとスライドさせてみるか?普通に考えたら無理だけど。


うん?右も左も駄目だなあ。じゃあ押して・・・も無理か。


じゃあ、押して駄目なら引いてみな・・・って引くものがない。えーこういう時はアロ〇アルファ!


じゃあ適当なのをくっつけて、っと。


どれどれ、くっついた。お、おお!手前に動いてる?やった!


「ダーリン凄い!よーくわかったわねえ。」


「よくある仕掛け。ただ意地悪してる感じ。」


「何だいそのくっつけたやつは?シラカワのいた世界ってのはスゲーんだな!」


「お、階段がある。じゃあ行っとく?」


・・・・

・・・

・・


何事もなく下に行けたおっさん一行だったけど、そこはちょっとしたホールほどの大きさがあり、真ん中に怪しげな魔法陣?が描かれており、部屋の奥には何やら鎧のようなものが祭ってあった。


「なあ、あの鎧?って何か特別なの?」


「知らねえな?まあ、誰が広めたか知らないが、噂では昔勇者が装備していた鎧が何者かによってこのダンジョンに持ち込まれ隠されたってのがあるが、どこのダンジョンにも似たような噂があるからな?」


「しらかわさまどうします?近付いてみますか?」


「まあ、近付くだけなら。」


怪しいんだよね。何でこんな所に鎧が安置してあるのよ?呪いのアイテムとかじゃね?


そう思いつつ近付いたんだけど、あれ?みんな立ち止まったぞ?おっさんだけ前に進めるんだが?


あ?何か言ってる?聞こえない・・・・?

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