第65話 おっさん、一人で戦う

・・・・いってえええ・・・・・


つーかマジ痛い痛い!


なんだよあれ?


悪魔?犬じゃないよな・・・・狼?マジでけえ・・・・


か、回復しないと・・・・


回復魔法・・・・


「ヒ、ヒー・・・・」グベラボゲグワー


更に宙を舞うおっさん。グシャ・・・・


うう・・・・


「ガルム、何をしているのです?」


何かガルムとか言うのか、奴が声の方を向いた。


今のうち・・・・


「ヒール」


ポワワア・・・・


おっさん復活!


「おや、何ですかあなたは?こんな所で人族に会うとは思ってませんでしたが、ガルムの体当たりを受けて生きているとは、何者です?」


おお?和服っぽいの着てる・・・・女の人?


「あんまりじゃないか。おっさん、痛かったよ。っていうかいきなりなにしてくれんのよ?」


「ガルム、とどめを。」


人の話聞いちゃいねえ・・・・


兎に角、攻撃を。ってううぉーガキン!


やべー流石剣のスキル。受け止めたよ。


「む!剣でガルムを受け止めるとは、名のある剣士でしょうか?では、こんなのはどうでしょう?」


扇子?ううぉー飛んできた!


防護盾! ゴン!


すげー防護盾!とりあえずっ扇子はもらっとこう。


「返していただけるとありがたいのですが?」


「おっさんにくれたんじゃないの?」


・・・・かろうじて防いだけど、どうなのこれ?勝てる気がしないよ・・・・


しゃーない、扇子を投げてみるか・・・・エイ!


お、あっち向いたな。気配遮断!


よし・・・・襲撃者はおっさんの事を認識してないっぽいな。


このままでは勝てる気がしないし・・・


「よし!壁!壁!壁!壁!」


よし!囲ったぞ!今のうちに・・・・あった!流石異世界売買、ダンジョンでも使えるとは!


硫酸!と、粉、小麦粉でいいか?忘れたけど確かそんなんだった気がする。


よし、薄力粉!あ、あと爆竹!チャ〇カマン!



やべーすごい力で壁体当たりしてる。えっと、ポイ!


ギャー!


きゃー!


ごめん、いくら敵対しているとはいえ、女性に硫酸はね・・・・


続けて、小麦粉!ポイ!


チ▼ッカマンでカチッと、爆竹に・・・っと、ポイ!


続けて!「壁!」


よし!蓋成功!バチバチバチ!


ドッカーーーーーン!


ぎゃー威力が強すぎたー防護盾!!


壁が吹っ飛ぶとかどれだけ凄いのさ。すげー粉塵爆発!



おいおい、まだ生きてんのかよ・・・・


っていうか、もう虫の息やんけ。


サクッと仕留めるか・・・・


「お・・・・お願い・・・します・・・・ガル・・・ムを・・・殺さないで・・・・」


「そっちから襲っといて、負けたらそれかい!」


「対価が・・・・必要なら・・・・私を・・・・あなたの・・・所有物にすれば・・・いい・・・・」


「間に合ってるよ!じゃあ死んでくれ!」


「待って!・・・あなた・・・奴隷商の・・・スキル・・・ある・・・私を・・・奴隷に・・・」


「あんたを奴隷にしてどうするの?」


「性・・・奴隷・・・でも・・・慰み者でも・・・労働力としても・・・いい・・・・」


「そんなんいらんわ!」


「後生です・・・・」


「ダーリン、それ使えるから奴隷にしちゃったほうが良いかも?」


「この女、強い」


”S級冒険者が倒れている。ただの屍のようだ”


「死んでねえよ!」


うーん、どうすっかな・・・


「あんた名前は?」


「十六夜と・・・・申し・・・ます。ご主人・・・さまと・・・お呼びして・・・も?」


「好きに呼んだらいいやん。えっと、こんなんでいいの?」


「・・・・はい、完了です。これより私はご主人さまの奴隷です。」


「はあ・・・・何なのさ、これ。」


なんか奴隷認証?が終わったら、この女回復しやがった。


「ご主人さま、申し訳ありませんが、ガルムを回復してあげてくれませんか?」


「襲うんじゃない?」


「私の所有物はご主人さまの物。譲渡いたします。」



おっさんは女と狼を手に入れた!


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