第34話 これも何かの縁?

・・・・これがトレイナー商会・・・・デカいな。通りすがりに色々な店があったけど、そんなの話にならないな。


しかも立派な造りだよ。どんだけ儲かってるんだ、あのおじさん。


「じゃあ早速入ってみようか」


「いい服あるといいんだけどなあ」


「どのような品があるのか楽しみですわね、旦那さま。」


流石にこんな立派な建物を見たからか、店で扱っているであろう商品に色々期待している2人。


メーネアちゃん、あんた王族だから大丈夫かいなあ?


香苗ちゃんも日本の店を基準にしてがっかりとかしないでよ?


おっさん達はトレイナー商会へ一歩を踏み出そうとしていた・・・・が、入り口が2つある・・・・


やべえ、聞いてないよ、そんなの。


ひとつはいかにも敷居が高そうな入り口。


もう一つは普通?の入り口。



うーん、紹介状あるしどうしようか?


そう思って店の前で立ち往生してしまったおっさん達。


「どうされたのです?旦那さま。」


「いや、こういう場合どっちの入り口から入るべきかなって?」


「それでしたらそちらの入り口でよろしいのでは?」


あー流石お姫様。迷う事無く敷居の高そうな方の入り口を指さしちゃったよ。しかも上品に。



・・・・お、敷居の高そうな入り口から誰か出てくるぞ。


おーショートカットがよく似合う超絶美女だ。流石は大物商会。店員のレベルが違う。店員だよね?客じゃないよね?


思わずその店員さんをガン見しちゃったら、ふっと石板の事が気になっちゃって、取り出してみたらおうおう、店員さん?が出てるやん。思わず見ちゃうと



<名前:オリアーナ・トレイナー>

<種族:人間>

<年齢:29>

<性別:女の子>

<職業:商人>

<力:そこそこ>

<体力:普通>

<知力:高い>

<精神力:普通>

<俊敏:早い>

<魅力:高い>

<運:高い>

<保有スキル:鑑定・話術・魅了・教育・交渉・護身術・経営・家事全般>



・・・・ごめん、見てしまったよ。こんな美女なのにまたしても女の子って。


あ、こっちにえらい勢いで来る・・・・


「誰の許可を得て人の事スキル使って見てるのよ!」


あれ。空が見える・・・・ぐへっ!バキッ!


何?めっちゃ痛い。肺の中の空気がなくなっちゃったよ。あ、石板割れてる・・・・


「ちょっとお姉ちゃん何してるんだよ!」


「だって、カーティス、あいつ人の事いきなりスキル使って見てくるんだよ?」


「それよりも、その人伸びちゃってるよ!大事な人だったらどうするのさ!」


「え、あ、あああ、ごめんなさい。」


・・・・何でメーネアちゃんに謝るの?痛いのおっさんなんだけど。


「ちょっといきなり何するんですか?石板割れちゃったじゃない!」


あー香苗ちゃんが怒ってる!


「あ、あれってひょっとしてスキルの表示プレートじゃない?」


「え、そりゃあ、そうだろうけど・・・・って割れちゃってる?」


「お姉ちゃん、やばいよ、表示プレートってレアアイテムだから持ち歩いてる人ってそうそういないから、かなりの立場の人だよきっとこの人。」


「カーティスどうしよう?」


「と、兎に角中で治療を!頭とか打ってたら大変だよ!」


「それは大丈夫、背中から叩きつけたから」


そこでキリっとした顔しないでよ・・・・あかん、駄目・・・・


「キャー旦那さま、しっかり!」


「白河さん、白河さん!」


・・・・外では旦那さまって言ってね、香苗ちゃん・・・・ガクッ


おっさん、ここで意識を手放しちゃったよ

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