第32話 冒険者ギルドと商館へ

「おはようございます、だんなさま。」


「・・・・白河さん、おはよう・・・・」


・・・・メーネアちゃんは朝が強い。朝から立ち居振る舞いが素晴らしい!流石は王女様。


朝から清々しい気分になるよ、おっさん。


対して香苗ちゃんは・・・・朝弱いな。低血圧なんだなきっと。




「今日は、冒険者ギルドと商館に寄って、折角だからトレイナーさんの所に寄ってみようと思ってるんだけど、どう?」


「よろしいかと思いますわ。こういった繋がりが最初は小さい取るに足らないと思う事でも、後になってみればあの時の出会いに感謝する事もありますし。この出会いが双方にとって幸せであることを願いますわ。」


「メーネアちゃん、ちょっと大げさ。おっさんそこまで期待はしてないけど、持ちつ持たれつの関係になればいいねえ。」


「白河さん、ご飯にしましょう」


「香苗ちゃんも、幸せになってほしいと願っちゃうよ、おっさん。」


「何に願うんですか?」


・・・・小悪魔的な笑みで返してきたな、香苗ちゃん。美人がその笑みすると男共は撃沈しちゃうよ、きっと。


・・・・

・・・

・・


まずは冒険者ギルドへ。なかなか大きな建物だな。冒険者もひっきりなしに出入りがあるし、表情が明るく、冒険者なのに?皆礼儀正しい。


まあ、朝だからかな?飲んだくれもいるだろうからすごい奴らもいるんだろうけど。



で、何しに来たかと言うと・・・・今後もお世話になるかと思い、ちょっと挨拶をした後、護衛を引き受けてくれたパーティに伝言とちょっとしたプレゼントを渡してもらうように頼んできたんさ。昨日渡してもよかったんだけど、たぶん受け取らないような気がしたからさ。



次に商館へ・・・・


デカい!建物がデカい!今までで一番立派な商館!


流石は商業都市!


「ようこそ商業都市アフェールへ!」


・・・・おっさん達が入っていったらいきなり言われちゃったよ!よく初めて来たって分かったな。おのぼりさんぽく見えてる?


「暫くこの都市に留まろうと思ってね、まずはあいさつに。」


「長期滞在ですか?それとも定住を希望されてますか?」


「居心地がよければ定住も考えてる。何か手続きとかあるのかい?」


「そうですね、定住されるようでしたら国の機関へ登録してもらわないといけませんが、暫くは大丈夫でしょう。店を構えたり家を借りたり購入する時は登録が必要ですね。」


「そんなの何処でするん?」


「当商館でもできますよ。」


「おお!それはよかった。その時はよろしく頼むよ。ところで、トレイナー商会って知ってるかな?」


「勿論知っていますよ!アフェールで知らない人がいたら初めて来た人かただの通りすがりだけでしょう!」


「そんなに有名なん?」


「ええ、アフェールでも5本の指に入る豪商ですね。どうかされましたか?」


「あ、いや、こちらに来る道中にね、ロニー・トレイナーという人物と乗合馬車で知り合ってね、ぜひ来てほしいって紹介状を書いてもらったんだよ」


「・・・・これは!本物ですね!運がいいですね!トレイナー氏と知り合えるなんて。」


「そうなんだ?」


「とても忙しくあちこち渡り歩いてる人ですからね!1年の半分は店にいないですね!」


「そんなに店空けて大丈夫なん?」


「トレイナー氏には才能あふれる娘さんと、絶賛修行中の息子さんがおりますし、奥さんもなかなかの人ですから大丈夫じゃあないですかね」



・・・・

・・・

・・


なかなか良い事を聞いたな。


トレイナー商会の評判もよさそうだし。行ってみるか。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る