第21話 おっさん、冒険者になる
・・・・さて、いよいよ出発となったわけだが・・・・
はっきり言って街の外にでるのは危険だよね?と思うんだよね、おっさん的には。
移動手段もどうするか考えないと。
ここは、乗り物を探すか地道に歩くか。
兎に角護衛が欲しい所だよね。
「なあメーネアさんや」
「はい、旦那様、どうかされましたか?」
・・・・メーネアちゃんにきちんと聞いたところ、この世界では15歳で成人を迎え、女性なら普通は20歳までにはどこかに嫁ぐらしい。しかも、一夫多妻制が当たり前で、20半ばの女性が未婚とは普通考えられないとの事。
なので、メーネアちゃんと香苗ちゃんはおっさんの妻という事にしたほうがいいらしい。
なので今、おっさんは旦那様と言われるわけだ。
「これから乗り物に乗るか、護衛を雇うかしたいけど、どこに行けばいいかわかるかい?」
「乗り物は乗合馬車でしたら向こうに乗り合い場所がございますし、護衛でしたら昨日の商館か、冒険者ギルドで大丈夫と思いますわ。」
・・・・冒険者ギルドキター!これでおっさんも冒険者に?
「すでに商館でギルドカードもらってるけどいくつも入れるの?」
「そのあたりは心配ないと思いますわ。商館というのは商人のギルドですし、冒険者ギルドは冒険者のギルドですし、何よりひとつギルドカードがあればそこに登録してくださいますし」
「じゃあ、まずは冒険者ギルドに行ってみるか。」
・・・・さて、冒険者ギルドにやってきたわけだが・・・・
こ、怖い・・・・筋肉隆々のガチの人が?いるよ。
なんかすげー装備の人もいるし、お、魔法使いかな?ローブをまとったきれいな女性もいるな。
「白河さん、こ、怖いです・・・・」
「香苗ちゃん、旦那さまって言ってね。」
「は、はい、そうでした」
香苗ちゃんも諦めたのか、最初は杉浦さんって言ってと言ってたけど、おっさんが香苗ちゃんとしか言わないから言い返しても無駄と思ったみたい。
「ほら、見てよ、あのローブの女性。あんなきれいな女性もいるんだから大丈夫だよ。」
「た、確かに・・・・」
・・・・まあ、ここでうだうだしてても仕方ないので、さっそく中に入る事に。
商館と比べても人の出入りはあるほうだし、建物もデカいな。
中は・・・・まあ、商館と似てるな。やっぱり冒険者?のパーティと思われる人たちがテーブルを囲んで話をしてるし。
ただ、受付っぽい所は少し並んでるな。
空いてそうな所に並んで様子を見ると、どうやら買取の交渉をしているみたいで、何かの動物の牙とか毛皮とかの交渉中らしい。
暫くしておっさんたちの番になり、どういった用か聞いてくるので、冒険者の登録と、護衛の依頼…報酬とか条件とかどうなってるとかの確認をしてみた。
冒険者の登録は簡単に済んだけど、カードにレベルの概念が加えられてた。もちろん、1だけど。
で、おっさん達は3人だから、複数の人数ならパーティ登録をしたほうがいいというアドバイスを受け、パーティ登録もしてみた。パーティ名も必要みたいだけど、これは後で変更が出来るみたいなのでとりあえず保留。
で、次に護衛だけど、そこそこお金がかかるみたい。
概ね1人金貨1枚ほどかかるようで、おっさん達の場合、1日3枚ほどかかるらしい。
これは護衛の人数は関係ないようで、力のないパーティなら複数の人数で護衛を受け、力のあるパーティは単独のパーティで護衛をするらしい。
ダンジョンや外でモンスターを退治したほうが実入りがいい場合が多いようだけど、ギルドの人に言わせればリスクが相当高いらしい。
護衛なら相手は野盗とかたまに襲ってくるモンスターだけど、街道にはそんな強いモンスターはめったに現れず、リスクの割に実入りがいいらしい。
しかも、依頼を達成した時のポイント?もあるので、意外と護衛の需要はあるらしい。
依頼達成は目的地のギルドに行けば確認できるので、報酬はこちらで前払い、向こうで受取が基本らしい。
期限を超えた場合の超過分はその都度双方で交渉らしい。
取り合えずセアリアス帝国への護衛を依頼として出すことに。
一応、10日の期間という事で、金貨30枚を先渡しに。やばい、ここでがっつり30枚は痛い。なので、アイテムの買取を聞いてみた。
しかし、親切なのかギルドの人は、おっさん達にまず装備を整えたほうがいいと言われ、うまくいけばその間に護衛の相手も見つかるとの事で、装備を選ぶ事になった。
受付は他の冒険者が並んでいるので、奥に簡単な店があるとの事でそちらに移動をする事に。
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