第5話 本当に元の世界に戻れるのか?
「ではよろしいかな?召喚された皆さんが元の世界に戻るまで担当するライヤーとは私の事だ。ああ、心配ない、今回の召喚は本当は1人だけが目的で、他の皆は巻き込まれただけだ。ああ、静かにしてくれないかな?そう、それでよい。その者さえ確保できれば他の皆は無事元の世界に戻ると約束しよう。」
・・・・!!
戻れるんか?めっちゃ怪しいんだけど?
あ、スーツ組のやつらが騒いでるな?
「おい、本当に戻れるんだろうな?」
「会社に遅れるじゃないか?どうしてくれるんだ!」
「大事な会議があるんだ!どうしてくれるんだ!」
あ、高校生?もなんか言ってるな?
「遅刻しちゃったら内申に響くんだけど、どうしてくれるの?推薦狙いだから内申大事なんだけど?」
「急にここに来ちゃったからスマホ落っことして画面割れちゃったんだけど、修理代払ってくれるん?」
・・・・あーみんな自分勝手なことばかり言ってるなー。
つーかまずは本当に無事に帰れるのかどうか、安全かどうか見極めないとな。
こういう時は目立たないようにするのが一番さ。
「お姉さん、怪しいから目立たないようにしといたほうがいいよ」
「は、はい、お、おじさんでいいのでしょうか?わかりました」
「おじさんは白河小次郎って言うんだよ。とりあえずは白河さんとかでよいよ?お姉さんはどう呼べば?」
「は、はい、杉浦香苗と言います」
「香苗ちゃんだね・・・・・・ごめん、杉浦さんって呼ぶね」
・・・・とまあ、お姉さんこと杉浦香苗ちゃんの名前ゲットしつつ、コソコソと話してく。
「皆の言いたい事はわかるが、安心してほしい!向こうに戻すのは召喚された直後となる。今回の我らの目的は1人の人物でな、この腕輪で判断できるのだ」
そう言ってライヤーが取り刺したのは精巧な意匠が盛り込まれた腕輪らしきものだった。
「これを手首に装着してもらって我が呪文を唱えれば、そなた等が目的の人物かどうか判るのでな、その後はこの魔道具にそなたらの情報が伝わるのだ。その時、少しばかり体が怠くなるようなのだが一時的なものなので、心配はいらない。」
・・・・このおっさん、最初は私って言ってなかったか?さっきは我って言ってるし。それに怠くなるって本当に何ともないんか?
「ただ、この腕輪は大変貴重な品でこれ一つしかないので一度に一人となってしまうがそのあたりは許してほしい。」
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