転生者は転生した瞬間から強いのか?
実はそうでは無い事をこの作品で痛感した。
転生した彼女は野盗もどきの冒険者に
強姦される所から異世界生活を
スタートする事になったのだ。
さらに彼等に奴隷商へ売り飛ばされ
子供を生めない体にされて
王宮のメイドとして働く事となる。
その後はいろいろな経験を積み
王宮から修道院へ移り巡礼の旅へ出て
聖女となり、
この世界のキーパースンとして活躍して行く事となる。
序盤は彼女の不遇さが強調されていて
敵をなぎ倒す爽快感を求める読者には
つまらないかもしれない。
だが、作品世界の構築は実に緻密であり
きちんと彼女の思考の変化や能力の向上を
描き出していて
ただの転生者が聖女へと成長する様を読者に示してくれている。
彼女が各種能力を獲得する過程を見せ
限界もあると言う事を示す事で
私達と同じ「等身大」の人間である事を納得させる手法は
他の作品にはない優れた物だと私は思う。
第一部は彼女の聖女への覚醒と
第二部への状況設定がメインであった。
現在進行中の第二部においても
彼女は「等身大」の聖女として
活躍する事は間違いない。
これから、この「等身大」の聖女が
どのような事をやってのけるか?
更新を心待ちにしている