第54話 『女の嫉妬って怖えぇ~~』

メモメモ

第53話 『ゲート』後半部分を変更しています。

前回の内容のまま続けて読むと、お話の脈絡が変になっちゃいます。

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俺は離れてゆくステアの手を思わず握り返して抱き締めてしまった。

何もかもが一瞬で解らなくなる。


どうしたいのかも・・


どうすれば良いのかも・・・


抱き締めてしまったステアに

「ライアンはどうしたいのですか?」

と満面の笑顔で聞かれた俺はどう答えて良いのかも解らないままただステアを抱き締めたまま・・・


そんな俺に抱き締められたステアは


「ティナの為にルクトニア王国を奪還するって言った事で悩んでいるのでしょ?」


と100%完全に俺の悩んでいる事を言い当てられてしまう。

俺は

「ステアには解ってしまうんだな」

と見つめてくるステアの視線を逃れるように上を向いてしまう。

「今更、何を悩んでいるのですか?」

「ルクトニア王国の進軍してくるだろう軍勢がティナの予想で20万人って言ったろ?」

と俺がステアに伝えると

「ライアンがあの北の草原でやったように空中からライアンが光の矢で攻撃して、私達3人が飛龍を火球で攻撃したように攻撃すれば楽勝で勝てるのではないですか?」

そう言って、ステアは俺達4人で戦えば確実に勝てると断言してくれるのだが・・


「確かにさ~攻撃だけだったら、何とか殲滅とか出来そうだけど、ティナやステア、ナサリーがあんな火球で攻撃しちゃうと、街は確実に崩壊しちゃうよ?お城なんて跡形もなく吹き飛んじゃうよね。出来れば街やお城は無傷で奪還したいんだよ。


それとティナ、ステア、ナサリーは攻撃は出来ても防御方法が全く無いから心配なんだ」


「防御はライアンがしてくれるんでしょ?」

「流石に20万の軍勢からの攻撃を受けながらティナやステア、ナサリーを同時に守り続ける自身は無いよ。それに出来ればルクトニア王国の兵士達も出来るだけ被害が出ないようにしたいって考えるとどうすれば良いか解らなくなってしまうんだ」


と俺は言いながら・・・

自分でもどうしたら良いのか解らない事に苛立っている自分が情けない。


『俺に力が有れば』


一瞬そんな思いが頭の中に浮かんでくるが

俺に出来る手札は

自動追尾機能付きの光の矢を一度に500本位のものだろう・・

キメラみたいに魔力を溜め込んだ魔核を持った魔獣ならば、攻撃した魔獣から魔力を奪い次の魔獣を攻撃して延々と攻撃する事が出来るだろうが・・

今度は魔力を持たない兵士との戦闘!!

何処まで俺の魔力が続くのか・・


アイスニードル

ファイヤーニードル

アイスダガー

ファイヤーダガー

アイスランス

ファイヤーランス

一度に何千という数を出すことは出来るから、ある程度の殺傷能力はある

何れにしても・・・魔力だのみ

だが今回は20万人のルクトニア王国の兵士達

1人で20万なんて大群をどうにか出来る方法なんて思い浮かばない。


ティナ、ステア、バサリーの大火力で一気に焼き払えば・・そうするとルクトニア王国の首都ルクトールは火の海となって一般市民にまで被害が及ぶ。


そう考えると俺の頭の中は堂々巡りで最初に戻ってしまい、永遠に終わらない思考のループに巻き込まれてしまっている。


『どうすれば良い?』


そう自分に聞いてみる事しか出来ない俺

でも答えは出るはずもなく悶々と悩みは募ってゆく・・・


そんな俺の様子を見てか

「悩んでも何も出ないのならば、ティナの故郷ルクトニア王国の首都ルクトールへ行ってルクトール城へ直接乗り込んでみませんか?今の私とティナとナサリーの3人とライアンが居れば何かあれば空に飛んで逃げることも、シールドを張って攻撃を防ぐ事も出来るハズですよ?」

とステアは悩んでいた俺にそんな提案をしてきてくれる。

「そうだな。悩んでいても何も解決しない。一度ティナの故郷ルクトニア王国の首都ルクトールがどうなっているのかだけでも見に行ってみよう」


そう、悩んでいても解決にはならない!!

「それでこそラナ国の王様です」

と俺に抱き締められたステアが満面の笑顔を俺に向け


「くすっ」


っと笑って俺の顔を見上げている。

そんなステアの表情を見て・・


『綺麗た・・』


っと思った瞬間、俺はステアのくちびるに吸い寄せられるように・・

ステアのくちびるに俺のくちびるが重なろうとする瞬間


ステアの右手の人差し指が俺とステアの唇の間に立てられて

「もうこれ以上はダメですよ。私これ以上何かされると壊れてしまってライアンを襲ってしまいそうです。これ以上ライアンを独り占めしていたらティナとナサリーに怒られてしまいますから・ダ~メ!!」

と言って俺はかる~~くあしらわれ?

抱き締めた俺から体を振りほどいて離れてしまう。

そして俺と距離をとったステアは腰を折り可愛く体を傾けながら俺を下から笑顔で見上げ

「ライアン一人で何でも悩まないで下さい。私もティナもナサリーも皆夫婦なんですよ?だから何でも相談して下さいね」


と言った後

「もうデニス国王様にもライアンがラナ国の国王と言明した訳ですからラナ国国王として男の姿に戻りましょう」

と俺に向かって手を差し伸べてくる。


一瞬ステアの言葉に俺はびっくりして一瞬何を言ったらいいのか迷ってしまう

そうステア達は狙われる危険性を考えて俺をこんな女の子の姿にした訳だからな!!

「『ナリア帝国』から狙われたらどうするんだ?」


と俺は俺が女の子の姿になった原因を思わず聞いてしまう。

すると


ステアは俺にとんでもない爆弾を落としていったのだ!!


「あ~ライアンを女の子の姿にした理由は『ナリア帝国』の追っ手の目を逸らすためじゃなく本当の理由はですね・・ライアンに群がる女の子避けの為ですよ?誰にでも優しいライアンは知らない間に誰でも彼でも女の子の心を落としている事実を認識してくださいね!!

だから私とティナとナサリーはライアンに悪い虫が寄ってこないようにライアンを女の子の姿にしたんです~~~~」


「えええええええええええええええええええええ~俺は3人に嫉妬されたあげくに女の子の姿にされてたって訳なのか~~~~~~~~~~~~~~?」


「オオオオ~~~マイガーーーーーーー!!」


俺は3人に嫉妬されたあげくに俺が男の姿だと女の子が俺を狙って寄ってくるから無理やり『ナリア帝国』の刺客に狙われてるからと、女の子の姿にされちまってたのか~~~!!


つづく・・・

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