第43話 『今俺が男だって事は国家機密?』

何者かの襲撃はあったが、ゼルド公爵家の領地の森林地帯を無事に俺達の乗った『騎龍』は通過し、今は国王の領地ランロードの延々と続く小麦の穀倉地帯の中に点在する幾つもの街を眼下に見ながら『騎龍』に乗って悠々と飛んでいる、


デニス国王のランロード地区、この地まで奇襲が有るとは思えないが、もしもの時の為にティナ、ステア、ナサリーは天使の輪を頭上に浮かべ、背中に真っ白な翼を生やした天使の姿のまま待機

何時また敵の奇襲があるか解らない為だ。

俺はさっきの戦闘時と同じく、この『騎龍』のバックアップ

もしもの時は、俺がこの『騎龍』の周りにシールドを張り防御


ティナ、ステア、ナサリーの3人だったら『騎龍』でも楽勝で消滅させるだけの火力があるからな!!

あの飛行魔道具をあそこまで使いこなしてるとは、正直思ってもみなかった。

多分また広がった『ステラナ』の上空で俺が眠ってる間に全裸で全力鬼ごっこでもして楽しんでたくらいだろう。


『一度有る事は2度ある』


それが鉄則だ?


『騎龍』の騎士が

「貴方達は本当に人間ですか?」

と聞いてくるのだが・・

どう答えたら良い?


確実に人間のハズ?

まあ『騎龍』の騎士が言いたい事も解るぞ!!

『今の3人の姿はまんま天使・・だからな』


露天風呂で全裸の3人に柔らかい体を押し付けられながら『飛行魔法~』

と言われてこんな3人が全裸で空なんて飛んだら絶対に天使だ~~!!


なんてエロエロな妄想が頭の中を駆け巡り・・


『天使なら頭上に天使の輪と白い翼だよな~』


なんて思いで、飛行用魔道具を作ったら、こんな感じになっちまった事はぜ~~~ったいに死んでも言えない!!


俺はそんな『騎龍』の騎士に

「人間に決まってるじゃないですか!!今は飛行の魔道具を付けてるからそう見えるだけですよ」

とこじつけ?

「そ・・そうですね。飛行魔道具と思えば言い訳ですね・・・」

と何ともまだ信じられない表情ながら、自分に納得させている・・ぽい?


「お前達には次から次に驚かされっぱなしだからな・・まさか、連絡係のつもりで付けたナサリーまでこんな風にされちまうなんて信じられんぞ、娘を嫁に送り出す父親のような気分だ」


とナルクギルド長若干寂しそう?



「ナルクギルド長、『娘を嫁に送り出す父親のような気分だ』ってそれは意味が違うでしょう?」

と『騎龍』の騎士が頭に疑問符?を浮かべているよう・・

「このハーレム野郎に娘を取られたと思うと腹が立つんだよ」

うをぉ~俺、ギルド長にめちゃ恨まれてる?

まあ~・・街一番の美人のギルドの看板娘だったナサリーを俺が奪った感じだもんな~


「ハーレム野郎って誰の事ですか?」

『騎龍』の騎士はナルクギルド長の言った意味が解らないよう

だよな~4人の女の子の内、一人が偽物で男だなんて思いもしないよな~


『騎龍』の騎士はナルクギルド長と女性4人の冒険者を連れてくるようにって事しか聞いて無いはずだもんな!!


『今俺が男だって事は国家機密』


だもんな・・


「君は知らなくて当然だよ」

と『騎龍』の騎士に一言短くナルクギルド長

「はぁ~」

これ以上聞けないって感じで諦めたっぽいな・・騎士さん

『あまり詮索しないで下さい、居心地悪いです・・』


デニス国王のランロード地区の黄金色に輝く穀倉地帯から徐々に石積みの家が密集する街の風景に変わり西南のほうに大きな城壁が見えてきた。そしてその向こう側は広大に広がる海

多分彼処が、ナルサス王国の2000万人が住む首都『ランドリア』


城壁は街を4重に取り巻き1城壁が10キロ毎に取り巻いている感じだな

デカイ!!広さは約40キロと言った所だろう・・

殆どが3階建て位の建物でランドリアの町全体が埋め尽くされているって感じだ。

そのランドリアの中心に立つラナリア城は2キロ四方の広大な広さを持つ

2キロ四方の王城はお堀で囲まれ上から見ると『ランドリア』の街と隔絶された地区となっているのが良くわかる。


「うわ~~これが王都ですか~綺麗~~」

とステアが歓喜の声を上げ

「上から見る王城はまた違った感じですね」

と感無量な感じのティナ

ナルクが不思議そうな表情で

「ティナさんはこの王城に来られた事がお有りですか?」

と聞くと

「ルクトニア王国第一王女として此処にきた時が有ります」

とさらっと・・・

「ええええええええええええええええええええええええええええ~~」

「ええええええええええええええええええええええええええええ~~」

「ええええええええええええええええええええええええええええ~~」

っと3人が驚きの声を上げる。

「ティナ言っとくべきでしたね」

と言って俺はウィンク

ティナは

「うっかりしてましたね。もう私はルクトニア王国の姫では無いのですから大丈夫でしょ?でも皆様この事はご内密にお願いしますね」

と皆にウィンクで返すティナ


ナルクギルド長は

「承知いたしました。ルクトニア王国のシャルロッティーナ様だとは夢にも思いませんでした。いままで通りティナさんとお呼びいたしましょう」

と冷や汗をハンカチで吹いている。


『ティナはお姫様だったんだもんな~焦るよな』


騎士さんは・・

口をポカーンと開けたまま固まってるな・・

ナサリーも同じか・・・

流石にステアは勘付いていたっぽい!!

そんな話に皆が驚いている間に王城の近くまで来ていた。


『騎龍』の騎士は国王旗を掲げ、王城の中間辺りに設けられた『騎龍』の発着場だろう場所に徐々に降りてゆく。


俺は、直接王城の建物に着陸するとは思ってもみなかった。

この発着場は国王の緊急避難時にも使われるのかもしれないな・・

眼下では・・


数人が手で合図して、『騎龍』を誘導しているよう・・


つづく・・・

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