王都

第42話 『王都へ』

ティナがこの世界で俺とティナ以外時間停止していたのを解除してもらったのは良いが・・

3人は余程天使の姿が気に入ったらしく・・

解除をしてくれなくて、困った。


『時間を操る力』


まさか、このステラナの地にそんな機能が隠されているなんて、全然おれは知らなかったぞ!!

ステアって不思議な奴だな!!

あいつ悪い奴じゃないんだが、秘密が多すぎる。

何なんだろうか・・

うまく言えないんだが・・

隠している訳じゃなさそうなんだよな!!

『知るべき時に、必要な知識は解放される?だっけ?不必要な強大な力は破壊を齎すだけ』

そんな事を最初にステアに言われた気がする。


『俺にその時間を操る力が解放されないのは俺にはまだ資格がないから』

悔しいが、そうなんだろうな。


『それにしても!!天使の全裸の3人の姿はドストライク!!俺的にはもう全裸で天使の姿の3人と永遠に此処で過ごしたいくらいなんだ。でもそれやっちゃうと俺絶対にダメ人間になっちゃう気がするんだよな~』


必然的にあのままじゃ全裸でいるしかなくなるんだよな。

食事も裸で良いじゃない?なんて言い出しそう・・・

このテラスはベッドも、露天風呂も、そして食事をするためのテーブルも全部そろってるから。此処一か所で生活していけるし、飛行魔道具の『天使の輪』を使えばこの絶景の風景の中を自由に飛び回る事が出来るし、昨日露天風呂で裸のまま飛行魔道具の『天使の輪』を渡したから、全裸で空を飛び回る解放感に快感をおぼえちゃってもう普通に戻れないとかなってないだろうな?

このままなし崩し的に許していたら確実に裸族になってしまうからな。


食事をした後、そのままエレノアのギルド長の部屋へ転移

ギルド長の部屋から『スレラナ』に入ったから当然の結果だな。

転移魔法とか使えないかな?


『ステアに後で、魔法の書物があのお城に無いか聞いてみよう』


ギルド長の部屋に転移した途端に


「うをぉ~~~~お前ら急に出てくるんじゃね~~!!」

と机の前に座ったギルド長に怒鳴られてしまった。


ナルクギルド長に支度が終わり、引継ぎの為にセドルド副ギルド長が呼ばれナルクギルド長が不在の間の業務の引き継ぎを30分程度で終了させる。


俺達は当然・・・4人ともふりふりドレスの女の子の姿

セドルド副ギルド長が引継ぎで呼ばれた時

「また可愛い女の子達ですね。どのような要件で来られたのでしょう?」

と聞かれ、俺達4人は一斉にナルクギルド長に視線を移した為に、ナルクギルド長が王都に一緒に行くと伝えるとびっくりされてしまった。


セドルド副ギルド長はS級冒険者としか聞いていなかった為で、まさか俺達4人のふりふりドレスの可愛い女の子達がS級冒険者だとは思ってもみなかったらしい。


『ちゃんと伝えておいてくれよナルク』


と視線で睨んでおいたから、ナルクはハンカチで度々汗を拭いていたから反省はしてくれたのだろう。

俺達はギルド長室から出て、大勢の冒険者が集まっている受付ブースを横切って屋上へ上がる階段へ向かう。


ギルド長室を出た途端に一気に集まる冒険者の好奇の視線

それは・・

この屋上にはもう体長30メートルは有ろうかという騎龍が待機しているからだ!!

それを朝一で見た冒険者達が何事かとギルドに集まってきているらしい。


普通グリフォンが至急の物品や手紙の配達でギルドの屋上に着地する事はあるそうだが、騎龍だ!!


『騎龍が駆り出されるのは、国家の一大事か重要な案件の任務だけ』


その30メートルを超す騎龍が今回ギルドの建物の屋上に停まっているのだ!!

それは全員気になる訳だ!!


そしてギルド長室から出てきたのは、ナルクギルド長、セドルド副ギルド長とおうギルドのナンバーワンとナンバーツーが同時に出てきて、その後をふりふりのドレスを来た若い女の子4人


それは注目されて当然なのだろう。

俺達は冒険者全員の好奇な視線を浴びながら屋上への螺旋階段を上り、ナルクギルド


長が屋上の扉を開けるとそこには高さ10メートルの騎龍が大人しく犬のお座りよろしく鎮座していた。


「騎龍って大人しいですね」

と言って好奇心旺盛なステアが小走りに騎龍に寄っていくと、騎龍は頭を下げてステアの上げた手に頭を撫でられ嬉しそう。


騎龍の乗り手だろう騎士が驚いたように

「この騎龍気性が荒いんですよ?人にあまり懐かないんですが珍しいですね」

ステアを見ながら話しかけてくる。

この騎士には、今日運ぶのが女の子4人と、ナルクギルド長だという事は伝わつているのだろう。

俺は夜通し飛んできた騎龍がどうもお腹が減っているであろう感じがしたので、サン


ダーウルフを1体異空間収納から取り出して投げ上げると、空中で見事にキャッチ

騎龍は何度か咀嚼した後、飲み込んでゆく。


「ありがとうございます。夜通しで王都から飛んで来たもので食事も取らせておりま


せんでした。お気遣いありがとうございます」

と乗り手の騎士がお礼を言ってくれる。


俺達4人とナルクギルド長が騎龍の背中に乗ると騎龍は一気に羽ばたいて上空に浮遊


してゆく。

50メートル位上空に浮遊した所で見送りのセドルド副ギルド長に手を振った後、一気に加速して王都を向かって飛行してゆく。


ナルサス王国の王都ランドリアはここエドワード公爵家のエレノアから西に、セルド公爵家の上空を100キロ程飛び、そこから国王が収めるランロードの西南に位置する


海に面した首都ランドリアまで100キロの地にある。

エレノアから200キロも離れている。

普通に馬車での移動では2~3日かかるだろう。


騎龍で行けば、5時間程度で首都ランドリアのランドリア城に着けるだろう。

俺達はエドワード公爵領を抜けゼルド公爵領に入ってきた。

ゼルド公爵家の領地はエドワード公爵領を抜けると50キロ程度小麦の穀倉地帯が続き


50キロが狩猟が主な森林地帯となっている。

北は穀倉地帯が北の山脈ザイール山脈の麓までつづく長閑な風景だ。


今はその小麦が黄金色に染まった穀倉地帯の上を丁度飛んでいる最中

もう小麦の刈り入れ時かも。


「あ~私も飛びたいな~」

「うんうん~こんな綺麗な景色の中を飛んでみたいですね」

「やっちゃおうか~」


とナサリーがお気楽な事を言い出したので

「ダ・ネ・デ・ス~~~」

と一括すると


「ライアンのケチ~~」

と酷い言い草だ!!

「遊びじゃなんいだからね」

と俺は言って少し抱きしめてやると

「は~いしょうがないな~我慢する~」

となんとか宥める事に成功


『それだけ飛行魔法楽しかったんだろうな』

まあしょうがないだろう。


「お嬢さん達は飛行魔法も出来るのですか?」

と俺達の話を聞いていた騎龍の乗り手の騎士が聞いてくる。

俺は

「飛行の魔道具を作ったので、魔道具で飛べるだけですよ」

と流したつもりだったのだが・・・

「な・・なんと!!歩行魔法の魔道具が存在するのですか!!」

とびっくりされて・・

『え・・ヤバかった?』


と思って3人を見ると・・

『視線が合った!!』


『飛行魔法ってやっぱりヤバイ代物だったのですね・・』


ナルクギルド長が

「空を飛ぶのは、飛龍や、ワイバーン、そしてグリフォンに頼らざるを得ませんから


な」

と追い打ちをかけてくる。

騎士も

「そうです。この世界には飛行魔法自体存在しないのですよ。それが本当ならばその


魔道具だけで1国が買えるくらいの価値があるでしょうな」

とびっくりするような事をさらっと言ってくる。


『人前では見せないほうが良いな』

そう思い俺達4人は視線を合わせて頷くのであった。


黄金色の穀倉地帯を過ぎてもう森林地帯に入ってきている。

鬱蒼と茂る木々の景色が続く。


俺は余りにも森が不自然な事に気づいて

「ゼルド公爵家には既に我々が騎龍でこの国の上空を飛ぶと連絡は入っているのです


よね」

と聞いてみると

騎士は

「全ての領主には連絡がいっております。国王様自らが連絡いたしました故、間違い


はございません」

と断言する。

ナルクギルド長も

「国王様自らが連絡網によって連絡を下されたのじゃ間違いはない!!」

と断言してくる。


そうであれば・・・

「森が静かすぎる!!この騎龍が飛んでいるからじゃ無い!!森に何かが潜んでいる!!」

と俺は叫んだ瞬間に

「ティナ、ステア、ナサリー戦闘準備、東北東5キロの森の中に敵が潜んでいる。飛行魔法全力で行け!!」

と3人に指示。


「やった~いっきま~す」

「ぎったんぎったんにしてさしあげますわ」

「うひょう~全力で飛べる~~ラッキー」


と言った瞬間


魔法のポーチから3人は『天使の輪』を取り出して


「装着」

「装着」

「装着」


っと3人は同時に叫んで飛行モード

頭上に天使の輪を浮かべ真っ白な翼を羽ばたいて一気に騎龍の背から飛び立って一瞬


で東北東5キロの森に向かって飛翔


その姿は


『天使』 



ナルクギルド長と騎士は


「な・・なんだ~~天使だとお~~!!」

と同時に驚愕の声をあげる。

『そうですよね~全くの天使ですもんね~言いたい事は解る!!』       


隠れているのがバレた敵は一気に森から飛翔しながら火炎を履いてくる。

その森から一気に飛び立った物!!


それはこちらと同じ


50メートル級の『騎龍』


3人は一気に3方向に別れざまに火球を騎龍が吐いてきた火炎に同時に火球を3方向


から撃って相殺


「ドドドドーーーン」

っと空中で膨大な火炎が爆発



俺は騎龍を守るようにシールド展開

3人は敵の騎龍の吐いた火炎を相殺後、直ぐに火球を発射

敵の騎龍は一気に飛翔し火球を一瞬で避けるが・・

3人の撃ち出した火球は何と自動追尾

『いつの間に覚えたんだ?』

ぐんぐんと敵の騎龍に迫ってゆくが、一瞬で横に避けて火球から逃れる。

敵の騎龍はまさか攻撃されるとは思っていなかった為に応戦一報で攻撃が出来ないで


いる。

3人もタダでは終わらない。


『火球も数打ちゃ当たる?』


3人は同時にめちゃめちゃ大量の火球を射出

一気に敵の騎龍を数十箇の火球が一気に囲む。

苦し紛れに、自分の逃げ道に火炎を吐いて火球を消去?

と思ったら火球は火炎を避けて敵の騎龍目掛けて突っ込んでゆく

巨体の騎龍にも関わらず素早い動きで貔貅を避けてゆくが・・


数十個射出された火球が徐々にくっついて次第に巨大な火球に変わってゆく

そしてそれらが全部敵の騎龍を自動追尾してゆく。


数十個の火球だったら逃げれる?

3人はその後ドンドンと火球を射出

もう数百の火球になって敵の周りを回っているが一個も直撃していない!!


追い詰めてはいる!!

でも直撃はしていない

徐々に火球と火球がくっついて、大きくなりながら敵の騎龍を追い詰めて体力を削いでいるよう?


そして動きが段々と遅くなってくるに従って火球は結合して大きくなって今数百あった火球は一個200メートル級の4個の火球に結合


それが敵の騎龍の周りを高速で回って一気に敵を襲う。

そして敵の騎龍を包み込んだまま800メートル級の火球になり火球は次第に小さくなりながら急速に温度を上げてゆく。


「エグイナ」

「あんあ攻撃は見たこともないぞ」

と騎士と3人の攻撃を見ながらギルド長が話している。


結局敵の騎龍は空中で燃え尽きるまで延々と焼かれ続け消滅した。


俺達は敵の消滅を確認して、再度騎龍で王都への空路を飛行する。


俺は

「ゼルド公爵家の中に裏切り者がいると思うのですがどうお考えですか?」

と一応ギルド長と騎士に聞いてみる。

俺としては・・・

『騎龍』は普通は個人レベルでは使役は出来ないものだと思われる。

とすると・・


必然的に、公爵家が絡んでいると思われるが、迂闊な事は言えない。

『騎龍』の騎士は

「反逆者が居たとしても、個人レベルでの『騎龍』の使役は実際無理でしょう。これは国王陛下に判断をして頂くしかございませんね」

と曖昧にではあるが答えてくれる。

『騎龍』の騎士さんレベルでは迂闊な事は言えないよね。

俺だって言えない。


ナルクギルド長も

「この事は国王陛下に有った事をそのまま報告するしかないようだな」

と発言するのみだった。



この『ナリア帝国』絡みの問題は、色んな者の思惑が入り混じって複雑に絡み合っているようだ・・


つづく・・・

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