第1162話 眼前の光景


 ッドーーーン!


 その音が聞こえると同時に、王都全体に掛かっていた術式がとけ、支配が解けてしまった。その結果、目の前の王様たちは覚醒し、更にはその護衛兵までワラワラと集まってくるハメになってしまった。


 ってか、柱が壊されたってことは、それを守る従魔が危ない。一刻も早く駆けつけなければ。


 だが、目の前には無数の兵士たち。あぁ、鬱陶しい。


「【鏖禍嵐蔓】」


 よし、一掃できたな。やっぱり対多数用のスキルがあると便利だな、って、え? まだいるの?


 今しがた全滅させたと思ったら、またもや同じようにワラワラと集まってきた。コイツら一体何人いるんだよ。国の税金投入されすぎじゃね? 有事の際じゃなきゃ、こんなに人員必要ないだろ。


「【藕断糸連】」


 ダダダダダッと纏めて兵士たちに斬りかかり、ズシャッと絶命させる。おお、これは中々気持ちいな。無双ゲームの主人公みたいだ。最近使ってなかったから新鮮味もあって非常に良い。って、は? まだいるの? もしかしてこれ、無限湧きだったりする?


 可能性はあるな。ってか、絶対にそれだろ。こんなに人間がいるなんてたまったもんじゃない。じゃあもう倒さずに通らせてもらうぜ?


「【重体渋滞にじゅうたい】」


 これは確か、範囲内に敵がいればいるほど敵のAGIが下がるんだっけ? じゃあ、今さっき倒した奴らも復活させとこ。そしたらもう完全に動けないだろ。


「【死骸魔術、蘇生】」


 よし、これでやっと外に出られる。みんな、大丈夫だろうか?


 ❇︎


 外に出ると、そこには見たことのないモンスターと、そのモンスターによって生じたのだろう焼け野原が広がっていた。プレイヤーたちもまだ残ってはいるものの、そのほとんどがやられてしまったであろうことが窺える。


 な、なんだアイツ。アイツが柱を壊したのか? でも、プレイヤーとは敵対しているんだよな? どっちの味方なんだ? 


 そのモンスターは、灼熱の炎に似たレーザーを撃ち、それを器用に操っていた。まるで炎が物質としてそこに存在しているかのように。更には、そのモンスター自体、神出鬼没で、目の前にいたかと思えば背後からマグマをぶっかけられたり、そうかと思えば今度は頭上に移動し、火の雨を降らせたりしていた。


 ちょっとこれは殺傷能力高すぎじゃ無いですか?


 そんなこんなで、気づけばプレイヤーたちは全滅し、残るはそのモンスターただ一体だけとなってしまった。ふぅ、ってことは俺が戦わなきゃいけねーってことだよな? 久しぶりのガチバトルやってやろーじゃねーか。


 そう意気込み、相対した瞬間、そのモンスターが溶け出し、三体、いや四体に分裂した。まさか、そんな能力まで持っているとは……って、


「スカルとボーン、アスカトル、ペレ!?!?」


 そこには見慣れた従魔たちの姿があった。









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え、ってか、めっちゃ更新できてませんか?私?褒めて褒めて〜!

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