第727話 吸血鬼の弱点
ーーースキル【神聖無効】を獲得しました。
【神聖無効】‥神聖属性による攻撃を無効化する。
よし、これでとりあえず俺は神聖属性の無効化はできたみたいだな。ウチの弟子はまだ堕天使たちに魔法をくらいまくっている所だ。
最初はなんの気無しに、弟子が辛い思いをしてるんだから俺も一緒に、というくらいの気持ちだったが、こうして終わってみるとやって良かったな、と思える。
NPCである弟子は死なせることはできないが、俺は普通に死ねるので、日光でも神聖魔法でもガンガン死んだ。そのおかげで久しぶりにステータスが上がったし、無効化スキルもゲットできた。
弱点が多い吸血鬼だからできる芸当だ。これは新たな発見かもしれない。弱点が多い種族になって死にまくるというのを意図的にできたら面白いかもな。
ただ、俺が吸血鬼になれたのも偶々みたいなもんだし、そう易々と他種族になれるとは思えない。まあ、機会があったら、狙っていきたいな、という感じだな。
「し、師匠……やっと、終わり、まし……た」
そう言って弟子はパタリと地面に伏してしまった。まあ、弱点である神聖魔法を延々と受け続けるのは流石にしんどかったみたいだな。まあ、今日くらいはゆっくり休ませ
「【慈愛之雨】」
るとでも思ったか? 流石に魔王による地獄の特訓がそんなやわなわけがない。体力的には今ので全快しただろうから、次のメニューへと向かおう。精神的ダメージに関しては……自分で選択した道だし、大丈夫だろう。
「よし、次行くぞー」
「は、はい……」
「ん、そういえばお前ってニンニク嫌いなのか?」
「うっ、ニンニクですか? そりゃ嫌いに決まってますよ! 吸血鬼でニンニクが嫌いじゃないっていう者はいないんじゃないですかね? 一番、抵抗が強そうなお婆さまでも好きではないと思いますよ?」
へー、やっぱ吸血鬼はニンニクが嫌いなんだな。でも、なんでニンニクなんだろうな? ニンニクに含まれている成分が苦手なのか?
「なあ、なんでニンニクが嫌いなんだ? そこに理由ってあるもんなのか?」
「理由、ですか? そう言われてみると理由は特にない気がしますね。生まれた時から嫌いですし、周りの吸血鬼も嫌いですし、そういうもの、っていう認識でしたね」
「そうか、じゃあ食べたこともないんだな?」
「いえ、一度だけ友達同士で度胸試しみたいな感じで食べたことあるんですが、普通に不味かったですよ? ダメージも受けますし……」
へー、ダメージも受けるのか。まあ、吸血鬼は普通にそのままだと強すぎるからな。もし、吸血鬼を作った神様がいるとするなら、バランス調整をしたんだろうな。
でも、こうして吸血鬼本人から話を聞くのはなんだか面白いな。
「どうしてそんな事をお尋ねになられるんですか、師匠? まさかとは思いますが、、、」
「ん、じゃあそのまさかだぞ。俺にも実は師匠がいてな。今からその人の元に会いに行くぞ」
「え! 今からニンニクを食べるんですか? もー勘弁してくださいよー。って、え、師匠の師匠ですか!? それは一体どれほどの御仁なのか……」
「ほら、ここだ」
そう言って、俺たち二人は堕天使たちに感謝と別れを告げ、次の場所に到着した。そう、お久しぶりの食死処だ。
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