第648話 大戦要項
「分かりました。では、貴方が閻魔様を倒した時、貴方についていきましょう。どうせ従うのならばより強い人の下がいいですからね」
「そうか、分かった」
「これで、私は失礼させていただきます。楽しい戦闘をありがとうございました。閻魔様と戦いたくなりましたらまた私をお呼びください。ではまた」
「おう、またな」
そう言って、ヴァールは自分の世界へと戻っていった。
「ん? ちょっと待てよ?」
俺は大規模な軍団を大戦の最中に呼び出すために、召喚をしたんだろ? それなのになんで獄界の強いやつと戦って、閻魔様と戦うっていう変な口約束して帰らせてんだ?
少なくとも大戦にくらいは参加させるべきだろう? なぜか向こうに主導権があったし、あれ、俺何してんだ?
もしかしてこれは、自分の強さに見合わない魔力量を消費して呼び出した代償かもしれない。本来ならば、本人の強さを魔力量はある程度比例しているから、こんなことは起きないのだろうが、俺の無限魔力で少しイレギュラーなことが起きたのかもしれない。
そして、戦闘でもなぜか俺が勝ててしまったから、システム的にはいよいよよくわからなくなってしまったのだろうな。
おそらく、魔力をなんらかの形で充填して、分不相応な強力な魔物を召喚されないような仕組みなのだろうな。まあ、そんな明確に定められていなくても、弱肉強食の魔物の世界で弱い者には従いたくないだろう。
ってかこれで時間使ってしまったんだが? 何の成果も得られなかったんだが? そして何より大戦は明日なんだが??
よし、今日はもう寝よう。明日に向けてしっかりと休息を取ることも大事だからな。
あ、一応要項みたいなもんも確認しておくか。どんな流れで戦うのか知らないと、あたふたしそうだしな。
えーっと、ふむふむ。まずは時間になったら所定の場所に転移されるみたいだな。そして、転移された時点で大戦は開始される、と。
なるほど、フィールドは遮蔽物等が特にない、荒野のステージであるらしい。これも有益な情報だな。
あ、最後に一番大事な勝利条件だな。これは相手のボスを倒すか、総数を三分の一以下まで減らす、のいずれかであるらしい。
つまり大規模攻撃でバッタバッタ薙ぎ倒すのもいいし、逆に暗殺部隊を派遣して後ろから刺してもいいわけだな。これは戦況をみながら臨機応変に対応していかなければならないな。
大体こんなものだろうか。
まあ、なんとかなるかー。天使ってどれくらい強いんだろうな。悪魔と対をなしているイメージだが、それと比べていかほどのものか、非常に楽しみだな。
よし、寝るか。腹が減っては戦はできぬし、眠くても戦はできないからな。
「おやすみなさい」
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