第617話 悪魔討伐に向けて
悪魔を倒す、って一言でいってもその中には沢山の種類がいる。
その種類は強さ順に爵位で表されていて、結構な数に分類される。だけども、説明の時によく聞いてなくて上がどこまであるかは知らない。
まあ、知らないところで死ぬわけじゃないし、逆に死ねたらラッキーくらいに思って気楽にいこうと思う。
よし、先ずは早速、居場所を聞きに行くか。このまま倒しに行こうと思ったが、よくよく考えると俺、悪魔の場所知らねーわ。
だからまず、研究所にいる爺さんの所へ向かう。
❇︎
行ってきました。研究所ではまた着地をミスったり、やっとやる気になったのかとか、天使の心臓でもいいぞとか、爺さんから色々言われたりもしたが、とりあえず割愛する。
最終的に悪魔は王都の、しかも城の中にいるらしい。
結論だけが目的だったため、すぐさま退散してきたが、悪魔が人間社会に紛れ込んでいるって本当だったんだな。
疑っていたわけではないが、改めてその事実を突きつけられると、その恐ろしさにビックリする。
現実の俺らの世界で例えるとどんな感じだろうか、日本の政府の中にアメリカや中国のスパイが紛れ込んでる感じだろうか?
うん、ヤバいな。いち早く始末しよう、それがNPCとプレイヤー両方の為になるからな。
「【韋駄天走】!」
❇︎
王都に到着した。自分が城を持ったから分かるのだが、立派な城だなー。
前に来た時は、自分の城を持ってなかったから特に意識してなかったけど、これはなかなか凄いな。これは、俺の城も内装だけじゃなく、見た目から仕上げていかないとな。
よし、入るか。
ジャキンッ!
「あ」
「止まれぃ! 何者だ! ここは王城、許可がなければ入ることはできん! 貴様、誰の許可を得てここに来た!」
隠遁を発動しておくのを忘れてた。そりゃそーか。城の前に立って、王城を観察してる感じとか、メチャクチャ怪しいもんな。
そんな奴が入ってきたらそりゃ、止めるか。
「いや、あのー」
「白昼堂々、正面から侵入しようなど、片腹痛いにもほとがあるわ! おい! コイツを牢にぶち込んどけ!」
えぇ……マジですか? あ、マジですね、はい、分かりました。
どうしよ、早速出鼻を挫かれたんだが。
ここで、爆虐魔法とか使ったらもっと大事になるよなー。うん、大人しく捕まるか。
❇︎
「はい。はい。……はい」
俺は今、絶賛取り調べを受けていた。なぜ、そこにいたのか、どうして王城に入ろうとしたのか、他にも出身はどこか、親は誰かなど、ありとあらゆる質問をされた。
その間俺は椅子に縛り付けられ、自白剤と思われる薬を飲まされいた。
激毒無効、自失無効、幻覚無効など、薬物の時にゲットしまくったスキルが効いたのか、しっかりと嘘をつくことができた。
自分が誰で、ここがどこか分からないと俺は供述した。そう、記憶を失っていました作戦だ。
普通なら、通用するはずもないんだが、相手が自白剤を飲ませたことが逆に裏目に出たようだな。
因みに、王城に入った理由としては、ここに偉い人がいそうだから、というなんともアホそうなことをいっておいたぞ。
尋問してる奴らは心底驚いている。ふっふっふっ、俺は怪しい者じゃないんだ。早く帰しもらおうか。
え、怪しいから再び牢屋行き? 次は嘘発見器を持ってくる?
ちょっと待って下さいよー。まだ、コッチは取り調べなのにカツ丼も食べてないんだぞ? 勘弁してくれよ全く。
そんなこんなで、結局俺は再び牢屋に入れられてしまった。
許さない、絶対に許さない。取り調べなのにカツ丼を出してくれないなんて。
取り調べとカツ丼はセットだろう? ふざけやがって、こうなったら強行突破だ。
「すみませーん……」
「なんだ、トイレか? トイレならあと二時間我慢しろ」
いや、トイレじゃねーし。勝手なら決めつけんなよ。それに、仮にトイレでも我慢させるとかどんな鬼畜牢屋だここは。どうやら人権はないらしい。
「いや、そうじゃない。そうじゃなくて、【
「は? 何言ってん、、畏まりました。ただ今お出しいたします」
え、マジで? そんな効き目強いのかこのスキル。ヤベーな、おい。
そうやって俺は合法的に? 牢屋から出してもらうことに成功した。あれ、もしかしてこれ最初の段階で使っておけば余裕で城内に入れたってこと?
……過ぎた話はよそう。何も生まれやしないからな、うん。あとそうだ、アレも忘れずにしておかないとな。
「【隠遁】」
よし、これで完璧だ。ようやく悪魔を探しにいける。
え、一体どんな遠回りをしたら悪魔討伐が牢屋行きになるのかって? 俺が聞きたいぜ、全くもう。
ま、牢屋を爆破させなかっただけ褒めて欲しいもんだ。
「【叡智啓蒙】」
お、いかにもな怪しい反応が一つだけあるぞ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます