第555話 更なる一手
まずは結果から言うことにしよう。トル、ペレ、デト三名の従魔の試合、結果は最高と言っても過言ではないほどの上出来だった。
当初の目論見通り、敵にコアを破壊させない立ち回りで時間いっぱい使ってプレイヤーを倒すことができた。
そして、三体も投入したことでプレイヤーを三分割させることができ、効率よく相手を殲滅することができた。今回の従魔たちは皆、範囲攻撃というか、広範囲に対して、一度に攻撃ができたので、それもいい感じにマッチしていた。
蜘蛛と溶岩と、毒、本当にどこを見渡しても地獄絵図だったな。これくらいすれば邪神様も喜んでくれるんじゃないだろうか。うん、かなりいい感じだったと思う。
ただ、ここまで海馬、アイス、そして今回の三体、と言う流れでプレイヤー達もモンスターが参戦することに徐々に適応を見せ始めることだろう。
モンスターの襲来に警戒し、どのようにして自国に勝利をもたらすのか、という作戦を綿密に考えてくる者すらいるかもしれない。
そこで、明日の次の試合では毛色を変えて攻めてみようと思う。まだ出撃していない従魔もいるし、しっかりと活躍の機会を設けてあげなければな。そして、俺らも明日に向けて準備を始めるとしよう。
『おーい、デトー、ちょっといいかー』
『はい、』
❇︎
よし、これで仕込みは完璧だな。あとは転移されるのを待つだけか。それにしても日本の相手はどこなんだろうな。
「国別対抗、第三回戦、日本対韓国の試合が開始されます」
うわ、よりによってこのカードかよ。何年か前までは日本の方が上みたいな風潮あったけど、最近の韓国は目覚ましい発展を遂げているらしい。
韓国のアイドルやアニメ文化も徐々にだが確実に日本に侵食してきており、もはや昨今ではもう決定的すぎる差がついてしまったようにも思える。
そして、この戦いでもその差をさらに広げるだけになってしまわないかも不安であるな。
俺が日本に肩入れすることもできるんだが、そもそも別に日本に対して特に思い入れがないんだよな。大人たちは何故か皆日本が好きというが、若者は特に愛国心がない気がする。あ、飯だけは別だぞ? 飯は誇っていい文化だ。
そう、だから別に日本を勝たせようとも思わない。かといって韓国が好きというわけでもない。ならば、ドローにする他ないだろう。
今回の主役は、そう……
「ゾム!」
この試合、お前に懸かっているぞ、お前の晴れ舞台、頑張ってこい!!
「グァ?」
うん、期待はしないでおくぞ。
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