第553話 仕様とボッチ
ーーースキル【ブレス無効】を獲得しました。
【ブレス無効】‥ブレスによるダメージを無効にする。
はぁ、疲れたー。だが、思ったよりも有益なものになった。
当初の目論見通り死亡数を稼ぐのと、耐性スキルの入手は達成したのだが、その他に、ブレスの仕様という、食らってみなければ分からないであろう情報を手に入れることができたのだ。
そして、このブレスというのは俺と非常に相性が悪かったため、このスキルを手に入れたことの価値が相対的に上がったというわけだ。
その仕様なのだが、ブレスというものは、攻撃判定が思ったよりも大きく、そして多いのだ。
分かりやすくいうなれば、見た目よりもダメージを食らう範囲が大きく、そしてブレスにずっと当たっていると、一つの攻撃とはみなされず、何度もダメージを食らっている、という判定になるのだ。
その為、回避も見た目よりも大きくしなければならないし、俺の不死のコンボもこの攻撃の前では無力と化すのだ。なんせ、体力が残ってもすぐさま食らってしまうからだ。
そのため、相性が悪すぎるのだ。だからこそ、このスキルをとって良かったと思っている。
まあ、明日の戦の役には立たないだろうけどな。
❇︎
とうとう、この日がやってきたようだ。
そう、今日はアース、ペレ、デトの戦いの日だ。いやまあ、三人で戦うわけじゃないんだけどな。それに昨日のことだから別に特段待った気もしない。
あ、転移の時間が来たようだ。この感覚、もう馴染みしかないよなぁ……
「はっ!」
意識が覚醒すると、そこは、またもや洞窟の中だった。そして、第三勢力はもちろん俺一人だけだった。
これはもうこのイベントでは変わらない事なのだろうか? まあ、別に一人が嫌とか、寂しいとかは全く思ってないぞ?
俺には従魔がいるし、みんなでプレイヤーを倒すんだからな、うん。一人でも全く問題ない。
よし、まずは一旦外に出てみよう。誰に言い訳しているのかも分からないしな。
外に出てみると、一回戦と同じ草原、ではなかった。二回戦は市街地のようなフィールドだったが、今回はなんと、岩場のようだ。そして、中央には大きな渓谷が広がっている。
その渓谷には橋が数本かかっており、そこから渡れる。また、結構深いが、一旦下に降りてからまた上がってくることもるできるだろう。
これは運営もいやらしいことを考えるもんだな。これによって、更なる心理戦が繰り広げられることだろう。
そして、第三勢力の俺らからしてもこのフィールドも良い方に働くだろう。
『お前ら準備はいいか?』
『『『はっ、』』』
さぁ、鏖殺の時間だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます